「ロールモデル思考法」について書く前に、「ロールモデル」にたどりつくまでの背景と道すじについて『ウェブ時代をゆく』よりまとめておきます。
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
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■学習の高速道路と大渋滞
ある分野を極めたいという意志さえ持てば、あたかも高速道路を疾走するかのようなスピードで効率よく過去の叡智を吸収できる。高速道路を走りきったなと思うあたりで大渋滞が起こる。「その道のプロ」として飯を食い続けているかどうかは、大渋滞に差し掛かったあとにどう生きるのかの創造性にかかる。
大渋滞の先でサバイバルするには、大渋滞を抜けようと「高く険しい道」を目指すか、大渋滞に差し掛かったところで高速道路を降りて道標のない「けものみち」を歩いてゆくか。どちらの道を目指すにせよ、自らの「向き不向き」と向き合い、自らの志向性を強く意識し、「好きを貫く」ことこそが競争力を生む。
「高速道路」を疾走しようが、「けものみち」を開拓しようが、「自らの志向性を強く意識し、『好きを貫く』こと」が必要です。ボクの場合は、たぶん「けものみち」へ向かっているようです。「けものみち」は好きの複合体でもあるので、様々な自分の志向性・好きを持ち続け、つくり続けることになります。
■「けものみち」をゆく
「けものみち」を歩くのに、道標のない不安と付き合っていくために、灯台のようなものを都度自分でイメージすることがどうしても必要だった。「好きなこと」「向いたこと」は何かと漠然と自分に問い続けても、すぐに煮詰まってしまう。頭の中のもやもやは容易には晴れない。
ある分野が向いていると思ってその「高速道路」を走っていくうちに、「何か違う」という感覚が芽生えてくる。そのとき、その高速道路を降りるか、走り続けるか。ボクはとりあえず降りてしまった。降りたはいいけど、何が「好きなこと」で、何が「向いている」ことなのかはよくわからないままでした。なので、先ずはそれが何かを探すことになります。暗闇の中に降りて微かな光源を探すような作業です。
■志向性の波長をキャッチする
私たち1人ひとりを取り巻く無限ともいうべき情報から、自らの志向性と波長の合う信号をキャッチするためには、微弱な信号でも捕まえてやろうと待ち構えていなければならない。私の場合はそれが、若いときからの読書の唯一の意味だったと思う。
ボクも、自分の志向性の光源を探すべくそれを読書に求めました。本屋に行って、直感的に惹かれる本を手にとってむさぼり読みました。本から「志向性の波長」が出ていないかどうかを感じ取ります。その繰り返しの中で多くの本と出会い、共感してきたました。本を読んでいくうちに、同じように共感した他の人の意見も聞きたくなってきました。しかし、周囲には同じ本を読んでいる人は見当たりません。だからネットにその友を求めました。アマゾンのレビューやブログなどから探しました。その中でもmixiには著者のコミュニティもありそこで知り合った人たちとのリアルな出会いが、自らの志向性に大きく影響を受けたと思います。
■「志向性の共同体」
こういった同じような本を読み、同じ問題意識を持つような人が集まる共同体は会社内にはありませんでした。しかし、ネット上には「志向性の共同体」と言えるコミュニティが存在します。なければつくればいい。ボクはそこにアクセスするようになり、そこには同じように光源を求める人たちがいました。具体的な形としては、オフ会であり、勉強会であり、読書会でありました。
■「ロールモデル」との遭遇
「ある対象に惹かれた」という直感にこだわる。なぜそうなったのかを考え続け、繰り返していく。
多読していく中で、特に「惹かれる」著者が出てきます。また「志向性の共同体」の中にも、「惹かれる」人に出くわします。ロールモデルとの遭遇です。最初であったときは「ロールモデル」かどうかわからないのですが、次第に「何か惹かれる」という感覚が強くなってきます。ボクはここが止まったままで、「なぜ惹かれたのか」という思索をしていないことに最近気づきました。