思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

脳の回路を変えるアウトプット方法 @ 『世界一自由な脳のつくり方』


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脳科学者の茂木先生が2010年に出した本だけど、久々に読んでみたら、学習で結果を出すためのアウトプットのくだりが特によかったのでメモしときます。
 
『世界一自由な脳のつくり方』茂木健一郎

世界一自由な脳のつくり方

世界一自由な脳のつくり方


まずは脳の学習につていの仕組みから。脳の仕組みやそれにまつわる機能って素人には把握しきれないほど深くて広い世界です。茂木先生はわかりやすくかいつまんで説明されています。
 

私たちの脳は、生きているかぎり学習を続けています。脳の中には1000億の神経細胞がありますが、その神経細胞はいかなるときも活動し続けているのです。神経細胞のネットワークは、脳細胞が動くかぎり学習し続けるという性質をもっています。神経細胞神経細胞をつなぐシナプスが、その両側で神経細胞が同時に活動することによって強化されていくというメカニズムを通して脳は学び続けています。

 
神経細胞ってめちゃくちゃ数ありますよね。1000億って。。。その一つひとつが隣り合う神経細胞とつながりあって、時には深い結びつきとなり、ときには離れていく。人と人との出会いと一緒ですね。それはともかく、神経細胞のつながりが強化されることで学習は進んでいくようです。そのつながりを起こすことにはどんなことが必要なんでしょうか。それなりの外界の刺激が必要のようです。人との会話等からの刺激。本やWEBなどの文字・画像による刺激。知らず知らずのうちにいろんな情報から刺激は受けています。
 

現代はインプット過多の時代です(中略)本当に必要な情報を選んで接することが大切です。
 
「いいものを見抜き、選ぶ」
 
できるだっけたくさんの本物をインプットすることが必要なのです。

 
やたらめったらインプットするのではなく、その内容は絞りこまざるをえないです。やはり時間は有限ですからね。インプットを続けていると、何らかのタイミングで外に出したくなる。話す、書く、描く、歌う、といったアウトプット活動へと進んでいきます。ここでは「書く」というアウトプットに絞ってメモを続けます。
 

書くことについて、私がケンブリッジ大学で師事したホラス・バーロー教授は、「何を書いたらいいのかわからないのなら、とりあえず書いてみること。そうすればわかる」といいました。これはアウトプットの重要性、方法に関するポイントです。自分の内面にあることはアウトプットしてみなければわかりません。それは脳のつくりに関係します。人間の無意識には膨大な情報があるので、それらすべてに意識がアクセスすることはできませんが、書いているうちに(アウトプットしているうちに)次第に脳の情報が処理されていくのです。

 
ボクもこれは日常的にやっているので、よくわかります。とにかく「書く」こと。「書き出す」ことで、芋づる式に頭の中からいろんなことが出てきます。ただ、考えるだけでは出てこなかったことも「書く」ことで不思議と出てくるんですよね。
 
茂木先生は、「書く」「描く」「歌う」というアウトプットって体を使った能動的な活動なので、運動系の脳回路を鍛えることが必要だといいます。
 

アウトプットによって運動系を鍛えるためには、思いと行動の間に障壁を置かないことが大事です。(中略)アウトプットを躊躇しないことです。アウトプットしたあとは、その結果についてきちんと検討します。つねに自分の行動の結果に対して、厳しく検討しなければなりません。それによって効率的に運動系を鍛えることができます。

 
アウトプット運動系を鍛えるための端的な方法は「躊躇しない」こと。頭で「書く内容」を考えるのではなく、先ず手を動かす。手に任せてしまうと、なんらかの文字やら線やら絵が出てきます。今一番気になっていることや、実際に考えていることがそこに出てきます。だから、ばばっと書きなぐっていくんです。 
 

自分の考えていることを速いスピードでノートに書きつける行為には、とても大きな意味があります。脳は自分が何を考えているか、出力してみないと理解できません。ボーっと考える行為は脳にとっては意外と難しいことなのです。自分が何を考えているかは、自分ではわからないのです。運動野から出力してノートに書いていくと、それが網膜から視覚野に入って、感覚、側頭連合野へいきます。運動野と側頭連合野は直接コミュニケーションする方法がないのですが、一度外のノートを経由してはじめてループができます。そのループがグルグルまわってある種のフローに入ります。ある程度のスピードで書いていくことがその一つの方法なのです。

 
と、まあ、こんな脳の仕組みになっていたのかー!と納得した次第です。パソコンに書いてもいいとボクは思いますが、茂木先生もいっているように、紙の上に書きなぐるように「手を動かして」書くとアウトプットの回路を鍛えるには適しているそうです。コレって脳のアウトプット系の筋トレみたいなものですよね。この筋トレでアウトプット系の回路を創り上げていきます。
 
アウトプット系の回路は「できる」感覚を増やすので自分が成長・変化したって実感できるんですよね。これって文字のアウトプットに限った話しではないと思います。絵、音楽、声、踊りなどの動きなど、自分が欲するアウトプットを躊躇することなく行動していきたいですね。