成功は特殊な事例で再現性に乏しいことが多いが、失敗は一般的で、共通することも多く、再現率が高い。
だから、いま、先輩との読書会で『失敗の本質』を深読み、精読する如く読んでいる。その『失敗の本質』を読む前に、入門書っぽい本があったので、それを手にとって、読んでみた。
「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
- 作者: 鈴木博毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/04/06
- メディア: 単行本
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↓↓ こっちはオリジナルで、いま精読中。
- 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1991/08/01
- メディア: 文庫
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まだ、オリジナルの『失敗の本質』は第1章「失敗の事例研究」のところを読んでいて、 第2章「失敗の本質」、第3章「失敗の教訓」までは読み進めていません。なので、この「超」入門で概要をつかんでおこうと思いました。
以下、気になったところの抜き書きメモです。
体験的学習や偶然による指標発見は、いずれ新しい指標(戦略)に敗れる。勝利体験の再現をするだけでなく、さらに有効な指標を見つけることが大切。競合と同じ指標を追いかけても、いずれ敗北する。
勝利の体験にしがみつくあまりに、新しい別の指標が求められていても、見ぬふり、無視を決め込んでしまうことがあります。
根拠なく楽観的に「次も、きっとうまくいくさ~」ってなんで思ってしまうのでしょうね。そんなことを思っているうちに、状況が悪化していて、それに気づこうともしない。かなり危険です。
そして、そんな危険な状況を打破するには、新たな指標が出現していることに気づく、または創ってしまうことのようです。
イノベーションを創造する3ステップ
- 戦場の勝敗を支配している「既存の指標」を発見する
- 敵が使いこなしている指標を「無効化」する
- 支配的だった指標を凌駕する「新たな指標」で戦う
今の教育って、実質的に「既存の指標」を効率良く学び、数値を上げるための教育になっていますよね。この「新たな指標」を生み出すイノベーションを創造するようには教育されていないように思います。
では、どんな学習法が「新たな指標」を生み出せるのか?
A.シングル・ループ学習
「目標や問題の基本構造が変化しない」と考える学習法
B.ダブル・ループ学習
「想定した目標や問題自体が間違っているのではないか」という疑問・検討を含めた学習法
それは、B.ダブル・ループ学習の方ですね。
現状、「想定した目標や問題自体が間違っているのではないか」という問いかけに答える科目教科そのものとしては無いようです。
ただ、「現代文」「英語」で扱ってる文章にはそういった内容の文章もありますね。それを手がかりに考えることもできそうです。
また、「数学」も入試問題を解く上で、自分が想定した問題設定を疑うことから、解決に向かうこともあるので、疑似的に体験できるかも。
最後に、この本にあった、オリジナルからの次の引用が、とても教訓的で自分への戒めにもなりそうなので、以下、紹介して終わります。
組織が変化に弱くなる、弱体化する要因として
日本軍人は、
- 思索せず
- 読書せず
- 上級者となるに従って反駁する人もすくなく
- 批判をうける機会もなく
- 式場の御神体となり
- 権威の偶像となって
- 温室の裡に保護された
(『太平洋海戦史』より)