更新日:2021年4月2日 (投稿日:2020年12月11日)
前回 第2章からの続きとなります。
今回は、
第3章:万人を蝕む見えざる病気
から、「病気の大元」について学んでみよう。
これまで「死」には何等かの直接的な死因があり、それは心臓病や糖尿病やがんといったものだった。
しかし、シンクレア先生は、
こういった病気の最大の原因は「老化」である。
と言われている。
病気にかかることで、「老化がはやまる」と漠然と思っていたが、どうやらそうではないよだ。
「老化」のプロセスは人が気づくよりずっと前から始動している。
人によっては思春期の終わりころから老化が音も立てることなく静かに始動するという。
気づけば40代後半となってしまった今なら確実に老化が始動していることがよくわかる。いままでなかった目元の小じわとか、ほうれい線がよく見えるようになったとか、白髪が混じるようになってきたとか……。
死亡の確率を高めているものは「老化」であり、私たちは避けて通れないものとして受けて入れいる。
ボクもこの『LIFESPAN』を読むまでは、「老化」はどうすることもできない自然の宿命と思っていた。
人間にとって、老化する以上に危険なことなどない。にもかかわらず、私たちはそれが猛威を振るうに任せ、もっと健康になろうと別の方向を見て闘っているのだ。
つまり、病気の上流にある「老化」をみずに、上流から枝分かれした下流にあるガンや心臓病や、糖尿病といった各疾患と個別に闘っているということだ。
1つの病気の進行を止めたからといって、その患者が別の病気で死ぬ確率が低くなるわけではない。むしろ、一つの病気を治したせいで、別の病気になる要因を増やしてしまうときもあるのだ。
各疾患の上流にある「老化」を対処せずに、下流にある各疾患を治療することでかえって別の疾患を誘発する可能もあるわけだ。
心臓病にがん。関節炎にアルツハイマー病。腎臓病に糖尿病。老化はこれらすべてに共通するリスク因子だ。いやむしろ、それこそが唯一のリスク因子なのである。
ということで、病気の大元である「老化」に向き合う必要がある。
しかし、「老化が病気」と言われても、直感に反する感じもあり、なかなか難しい気もする。
それでも、シンクレア先生は力強く綴っている。
老化を病気と認めれば老化との闘いには勝利できる。・老化は身体の衰えをもたらす。・老化は生活の質を制限する。・老化は特定の病的異常を伴う。
「老化は病気」であり、その病気と向き合い、予防して、場合によっては治療することで「老い」を克服する。そしてその結果としてQoLを向上させるこが可能であれば希望の未来を抱けそうだ。
老化は1個の病気である。その病気は治療可能であり、私たちが生きているあいだに治せるようになると信じている。私たちはたった1個のダムを築くことができる。しかも、水源に。問題が起きたときにだけ介入するのではない。ただ進行を遅らせるだけでもない。老化に伴う様々な症状を一気に消し去ればいい。これは、治癒できる病気なのだ。
これは心強い!!
もちろん、ただ「老化は治癒できる病気なのだ」と宣言をして、この本が終わるわけではない。
次章以降は、どうやって「老化」を予防するのか、どうやって「老化」治療するのか、がテーマとなっている。
<つづく>
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