思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

2030年感染症の脅威から解放@『未来の医療年表』


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2021年、最初に読んだ本は、これです。

 

『未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと』奥真也 

 

『LIFESPAN』でも未来の医療について詳しく書かれていまたが、

strengths.hateblo.jp

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この『未来の医療年表』ではさらに絞り込んで未来の医療がどうなっていくのかを予想しているのです。

 

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Photo by Tomasz Frankowski on Unsplash

 

では、目次をみてみます。

 

目次 

はじめに

Ⅰ未来の医療ロードマップ
 第1章 未来の病気年表
 第2章 イノベーションが変える医療の体制

Ⅱ病と健康をめぐる常識/非常識
 第3章 本当の「健康」って何?
 第4章 日本人の貧しい医療リテラシー

ガラパゴスな日本の医療と世界のスタンダード
 第5章 ガラパゴスな日本の医療
 第6章 これが医療の世界標準

おわりに

 

個人的に、『未来の医療年表』の中心は「第1章 未来の病気年表」「第2章 イノベーションが変える医療の体制」にあると思いました。今回はそこにフォーカスをあててメモをとることにします。

 

この本の中にある、年表と出来事をまとめてると、これから約20年先までのことが記されています。

 

2022年 スマホウェアラブル測定新局面へ

2023年 オンライン診断定着

2025年 初の本格的認知症薬誕生

2025年 病院へのフリーアクセス廃止

2030年 感染症の脅威から解放、「AI診察」が主流に、医師法大改正

2032年 安楽死法制定、AI医師法制定

2035年 ほとんどのがんが治癒可能に

2040年 人工臓器新時代突入、神経難病克服、糖尿病解決

 

 特に、気になったのは、やはり、新型コロナがあるので、「2030年感染症の脅威からの解放」ですね。

 

ポイントは、やはりDNA解析の速さと、ビックデータ技術を使い、情報共有の速さと方法の工夫でウイルスとの闘い方が今よりも格段に上手くなるのではないかということでした。

 

この本は各節を読んでいくだけでも、だいたいの内容をみることができるので、第1章と第2章の節を挙げておきます。

 

第1章 未来の病気年表
1.2035年、ほとんどのがんが治療可能に!
2.ワクチン開発、人類は新型コロナの「失敗」から学べ
3.乳がん予防のための乳房除去が新たなトレンドに
4.2040年、遺伝子解析とAIで神経難病克服
5.神経難病児の遺伝子治療、「対象者はくじ引き」で製薬会社炎上
6.医学が発展するほど難病は増える!?
7.iPS細胞への優先的資金投入は間違いだった?
8.皮膚・心臓・・腎臓・・・・人工臓器は新時代に突入!
9.「超難関」血管再生にも期待大
10.新型コロナ対策で「公衆衛生」の理解は広まった?
11.2025年、初の本格的認知症薬誕生
12.2040年、糖尿病すっきり解決!

 

がんのところでは、「がんは遺伝子疾患」と『LIFESPAN』同様に

説明されています。

 

がんの本質は基本的に遺伝子の異常によって引き起こされる遺伝子疾患であり、2000年代に入ってから個々の人の遺伝子配列を解析する技術が飛躍的に高まったからです。この結果、遺伝子に直接アプローチする「分子標的薬」という治療薬とそれを中心に据えた治療法が開発され、確立しました。

 

「分子標的薬」はこの遺伝子の解析技術が生み出した抗がん薬であり、患者さん個々の遺伝子情報をもとに、がんを引き起こす特定の遺伝子の異常を攻撃してがんを治療します。がん細胞の生存に必須な分子を攻撃し、がん細胞を縮小、もしくは死滅させるのです。

 

他には、「免疫チェックポイント阻害剤」も挙げられていますね。

 

2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑博士らが開発した「免疫チェックポイント阻害剤」。がん細胞は、ある段階に達すると人間の免疫細胞にブレーキをかけてきます。免疫チェックポイント阻害剤は、このブレーキを阻害することで人間本来の免疫力を目覚めさせ、がんと戦わせるという薬です。

 

つづいて第2章から。

 

第2章 イノベーションが変える医療の体制
13.2030年、「AI診察」が主流に
14.「朝・昼・晩」方式も変わる? 薬の飲み方の最適化もAIの仕事に
15.人間医師の役割は「作り出す人」と「寄り添う人」に分化
16.20年後、医師のステータスは高いものではなくなるかも
17.データベース化でムダな処方箋にメス
18.古希を過ぎた医師法、このままでは「2025年問題」も乗り切れない
19.2032年、AI医師法制定
20.まだ満足できない「オンライン診療」、定着するのは2023年?
21.効く理由はわからなくてもOK! ビッグデータ創薬
22.分子標的薬の承認数、今は増えているけれど・・・・。
23.日本企業にアドバンテージ?医療用マイクロロボット開発
24.「腸内細菌叢移植」で腸とは無関係な病気も治せるように
25.スマホウェアラブル端末が命を救う!
26.非医療系企業が続々参入! 医療ビジネスのチャンスは無限大

 

AI診断が主流となり、さらに薬の飲み方を個人個人で最適化するのもAIが担うようになるとのことです。

 

また、ビッグデータを活用して創薬することも挙げられています。因果関係よりも先に、相関関係から創薬をすることのようです。因果関係はあとからわかればいいのではないかと。そうすると、既存の薬から、思わぬ効果があるようなことが発見され、新しい治療薬としてリノベーション的に使われることもありそうですね。

 

コロナ禍だからこそ、課題も多いでしょうが、医療の未来が明るいことを信じていきたいです。