思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法<後編>@『Think right』


スポンサードリンク

<前編>の続きです。

 

strengths.hateblo.jp

 

< 後編>では、ボクが読んで一番良かったところを紹介します。

 

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法

 

 

この本には

 

「人間がなぜ誤った先入観を持ち、あやまった選択をしてしまうのか?」

 

という「問い」が底流あると思うのですが、その答えが「おわりに」にまとめられていました。

 

f:id:mitsu1973:20210118153635j:plain 

 

「感情」は火口から噴き出す溶岩だ。たいていは、理性が感情にふたをして抑えつけることができる。だが、ときには不合理の溶岩が爆発する。不合理な行動は感情が爆発したときに起こると考えられていることから、「熱い理論」と名付けられた。本来ならば、理性があれば万事うまくいく。理性は過ちをおかさない。それなにの、感情が勝ることのほうが多い

 

 感情は優れた知性を持っている人でも、抑えがたく落とし穴にハマってしまい、しかも、このような誤りは偶然起こるものではなく、ある決まった方向で起こると言われています。

 

そのことを理解すれば、過ちを予測でき、ある程度、行動を修正することができる。それでも、あくまである程度にすぎず、決して完璧には修正できない。

 

 

この本から学べるのは、まさにこの

 

「過ちを予想し、完璧ではないが行動を修正する」

 

ことなのだと思います。

 

 

では、なぜ、ときに「感情」に突き動かされてしまうのか?

 

 

私たちは生物学的には、原始人となんら違いはなく、どんなにブランドの服に身を固めても、脳をはじめとする肉体は、狩猟と採集をする人間にすぎないのである。

 

どうやら、ボクらと原始人の身体的な反応は変わっていないようです。そうそう簡単に人間の体のつくりが変わるわけでもないので、

 

変化したのは「人間そのもの」ではなく、わたしたちが暮らす「環境」のほう。 

  

ということなります。

 

世の中が激しく変化し始めたのは、ここ1万年ほどのことである。

 

劇的に進化しても、人間の体は原始時代のままなので、現代の社会状況に不適応な側面もあるようなのです。 

 

農業や牧畜が盛んになり、町が形成され、国と国の間で取引が行われるようになる。工業化が進んでからというもの、人間の脳にとって最適な環境はもはやほとんど残っていないと言えるだろう。

 

この1万年の間に、人間は、自分たちでももはや理解することのできない世界をつくり上げてしまったのだ。 

 

 

 急速に文明が発展し、結果的に生み出されたのが、「物質的な豊かさ」であり、それと同時にその代償として「思考の落とし穴」も生み出されてしまったと著者は言います。

 

 

狩猟や採集といった環境においては、「考える」作業よりも、実際に「行動する」ほうが、はるかに価値が高かった。生き延びるためには、「即座に反応する」ことが重要で、「長いことあれこれ思い悩む」のは大きなマイナスだった。仲間が急にその場を走り去ったら、自分もすぐにあとを追って逃げることに意味があった。

 

逃げ出さなかった人は、獰猛な肉食動物に襲われ、後世に遺伝子を残せずに死滅してしまうわけです。その結果、

 

現存しているわたしたちホモ・サピエンスは、他人のあとをついて逃げてばかりいた人間の子孫

 

ということになり、一人で「思考」するよりも、周りの人たちの動きや気持ちに反応して「感情」優位で行動することが基本になっていると言います。

 

 

また、脳がエネルギーを消費する違いも次のように説明されています。

 

直感的な思考:即座に、そして自然に発生し、エネルギーをあまり必要としない
論理的な思考:時間がかかり、労力を要し、多くのエネルギーを消費する

  

ヒトの脳は直感的な思考は得意で、論理的な思考はそもそも不得意と言えそうです。不得意なことはエネルギーを要するし、使い過ぎると疲れますからね。

 

 

しかし、社会環境が大きく変わった現代においては、「直感的な行動」ではうまくいかないことが多くなってくるようです。

 

このような「直感的な行動」は、現代社会では不利になる。現代では、しっかり考え、自主的に行動するほうが、価値があるのだ。投資ブームに乗って大損をしたことのある人なら、どういう意味かわかるだろう。

 

なんでもかんでも、論理的に考えていては、生命に関わるときの危機に遭遇したとき逃げ遅れてしまったりするし、アタマが疲れて切ってしまいます。

 

なので、著者は、

 

大きな損害が出ない場面では、頭を使って悩まずに、間違いをおかすことを自分に許すのである。そのほうが生きやすい。

 

しかし、重要な場面では、どのような決断を下すべきかよく考えることが必要なのである。

 

と言われています。

 

就職、結婚、転職といった人生の選択に関わるような重要なことは、あれこれ考えなければならいので、頭が疲れ果て、途中で思考停止に至り、そのときに思っていることで結論づけたり、、、、、

 

「考え続けて確たる結論を導き出す」という忍耐力が不足しているでは?と思うこともあります。

 

でも、そのときこそこの本の「おわりに」に書いてあった言葉を思い出して、己を叱咤するのです。

 

自分よ! 最後の最後まで考えろ!

 

と。

 

 

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法

 

 

-------------------------------

 

『Think clearly』の読書メモもどうぞ。

strengths.hateblo.jp

 

strengths.hateblo.jp