忙しいときこそ、休憩は取りにくく、寝る時間も減り、勘違いやミスが多くなり、ますます自分を追い込む状況を意図せず作ってしまいます。そんな状況で、なかなか休息を取るような気持ちになれません。
しかし、『4つのエネルギー管理術』によれば、休息をとらずに仕事をし続けることは、かなり大きな間違いであることがわかります。
現代社会では働くこと、活動することがもてはやされ、立ち止まって回復をはかることには注目が集まらない。常に高い生産性をあげるには、活動と回復の両方が必要なのだが、それが理解されていない
と著者は指摘します。
人間はエネルギーがあるから様々な活動ができますが、休息をとらずに働いていると、このエネルギーが減ってしまうのです。では、このエネルギーって何なのでしょうか?
エネルギーとは、一言でいえば、どれだけ働くことができるかという容量だ。人間にとって何より基本的なことは、エネルギーを消費し、回復するということである
と、著者は言います。
休息をとるということは、エネルギーを回復する時間をとるということです。
回復という「すきま」の時間があってこそ、愛や友情が育つゆとりが生まれる。深みが出る。さまざまな広がりが出てくる。回復の時間を確保しなければ、人生は走り回るだけのものになってしまい、私たちはその本当の意味を見失ってしまうだろう。
回復する時間を全くとらなかったり、または、休息の取り過ぎもよくないようです。
パフォーマンスの問題は、元をたどるとほぼ例外なくエネルギーの消費と回復のバランスの悪さにたどりつく。肉体、情動、頭脳、精神のいずれか一つ、または複数の分野において、トレーニング量が多すぎるか、少なすぎる状態なのである。
ひたすら仕事をし続けることは、このエネルギーの消費と回復のバランスが悪くなり、かえって仕事のパフォーマンスを下げるという結果に陥ってしまいます。働けば働くほど休息による回復はますます重要となってくるのです。
では、どうやって休息を取り入れていくのか?
本書の中で、あるトップテニスプレイヤーを例をあげているので、みてみましょう。
(トッププレイヤーは)回復するためのきわめて効率的な「決まった動作」を作り上げることで、非常に短い時間に驚くほどの回復ができるようになっていたのだ。ランクの低い選手の場合は、彼らのように効果的な「決まった動作」を持っていない。トッププレイヤーたちは「決まった動作」、つまり「儀式」を活用することで、効率的に回復をはかり、次の勝負に備えていたのである。
いわゆるルーティーン(≒儀式)として休息を取り込み、決まった動作の中に休息を入れ込むことで、ほぼ無意識に回復できるようになっているのです。
ここまで上手に休息を取り込めると良さそうですが、決まった動作として休息をいれることは、試行錯誤も必要なので、すぐには難しいと思います。
それでも、まずは、
自分の体の欲求と自然の周期的なリズム(90分~120分)に合致した休息(インターバル)をはさみ、一日をいくつかのかたまりに分ける
ことをしてみたり、その合間に短めの「回復のための休息時間」を取り込んでみるところから始めてみるのが良いかも知れませんね。
休憩は体力を回復するだけではなく、気持ちもリフレッシュできて前向きになれるので情動や知性などのエネルギーの回復にもつながります。
エネルギー回復のための休息時間。
これはパフォーマンス・生産性向上のためにも、もっといえばQoL向上のためにも必要なことですね。休息時間の価値をもっともっと高めていきたいです。
休息時間を日々の仕事・生活の中に、ルーティン化して取り込んでみるのはいかがでしょうか。
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