思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

感情がハイジャックされたときの対処法@『幸福優位7つの法則』


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朝起きて、今日やるべきタスクを確認する。

仕事のこと、家族のこと、友人とのこと。あれもこれもやらなければならない。

そしてそのタスクの中には、上司や部下、パートナーや子どもが関わっているタスクもある。

 

さらに、突発的にお客様からの依頼で新たなタスクが発生したり、自分の手に余るような重すぎるタスクも発生したりする。

 

そういうのが積み重なってくると、気合と根性で頑張っているのにもかかわらず、身動きを取れなくなって、何もできなくなってしまうこともある。

 

なぜこんなことになってしまうのか?

 

どうすればいいのか?

 

 

これを解決するヒントが、この本 

 

の中にあります。

 

 

それは、

 

「コントロールの円」

 

という考え方です。

 

 

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Photo by Annie Spratt on Unsplash

 

ざっくり言うと、自分でコントロールできることを円の中に、コントロールできないことを円の外に分けて対処することです。

 

 

その前に、なぜコントロールできないときに、不安になったり、怒りを覚えたり、やる気がなくなったりしてしまうのか? ここから見ていきましょう。

 

 

■なぜ、身動きがとれなくなり「やる気」が低下するのか?

 

この本によると、理性が、人間の感情という本能に乗っ取られてしまうことに起因するようです。

 

日々起こる問題は、大脳新皮質(考えて反応する部位)に任せるが、ストレスを感じていたり、冷静さを失っていたりするときには、爬虫類脳(闘争ー逃走本能)に主導権を握られてしまうことがある。これは意識的に行なわれるわけではなく、むしろ生物学的に起こる。

 

 

このことを著者のショーン・エイカー氏は

 

 

感情のハイジャック

 

 

と呼んでいます。

 

 

これは自分を「コントロールする感覚」を乗っ取られてしまうということです。

 

ストレスも仕事量も、自分の能力が追いつかないほどの勢いでたまっていく様な時には、そういう「コントロール感覚」が、真っ先に失われてしまう。何もかも一度にやろうとすると、そうなりやすい。

 

 

特に職場では、コントロール感覚が失われやすく「感情のハイジャック」が起こりやすいようです。

 

職場では、小さなストレスが長い間蓄積されるということがよく起こる。そういう状態の人は、ささいな不快やイライラをきっかけに、簡単にコントロールを失う。

 

 

脳のパニックボタンが押されたとき、理性は窓から逃げ出し、その結果、財布にもキャリアにも最終損益にも損害が及ぶ。

 

 

上司の理不尽な要求や、無理難題を求めるお客への対応で、理性がどこかへ逃げ出し、爬虫類脳にバスジャックされていましい、酷い結果を生み出してしまうこともあります。でもこれは意識せず、生物学的にもそうなってしまうことともいえるのです。

 

 

 

■「感情のバスジャック」をどうやって防ぐのか?

 

では、どうすれば「感情のハイジャック」を防ぐことができるのでしょうか?

 

感情を落ち着かせればいいでしょうが、意識的にそれができない状態になってハイジャックされてしまうのです。

 

だから、それ以前のところから対処する必要があります。

 

 

基本となる考え方は、

 

まず小さな達成しやすい目標に努力を集中することで、仕事を達成するために不可欠のコントロール感覚を取り戻すこと

 

なのです。小さなことでもよいので「コントロール感覚」を取り戻すことが重要といいます。

 

 

取り戻すためには、次の4つの手順があります。

 

1.努力する範囲を狭くする。

2.その努力が意図した通りの効果をあげていることを確認する。

3.必要なリソース、知識、自信を蓄える。

4.次第に円を拡大して、大きな範囲を征服していく。

 

 

 

■どうやって「努力する円の範囲」を決めるのか?

 

 自分がコントロールできているという感覚を取り戻すために、何がコントロールできて、何ができないのか、を明確にします。

 

そのための具体的な方法が本の中で紹介されています。ちょっと長かったので、本文の内容をざっと次のようにまとめてみました。 

 

 

 1.自己認識の円

 

最初に描くべき一番小さい円は、「自己認識」である。

 

・感じているストレスや無力感を言葉で表現することが、コントロール感覚を取り戻す最初の一歩である。

 

・ひどい落ち込みから一番早く回復する人は、自分の気持ちを認識してそれを言葉で表現できる人、だという。

 

・気持ちを日記に書き出してもいいし、信頼できる同僚や友人に話すのもいい。

 

 

2.コントロール可否のリストをつくる

 

状況全体のうち、どの部分が自分にコントロールできて、どの部分ができないのかを見極めること。

  

・手に負えないストレスに対処するには、それを一度バラバラにして、自分ではどうにもならないことを切り離してしまうことだ。

 

自分が有効に影響を及ぼすことのできる部分を見きわめる。そこにエネルギーを集中する。

 

 

 3.小さなゴールを決める

 

・すぐに達成できそうな小さなゴールを一つ特定する

 

行動の範囲を狭め、エネルギーと努力をその1点に集中させれば、成功の確率は高まる。

 

難題は、比較的易しいものから一つずつ取り組む。小さな円から始めて少しずつ範囲を広げていく。

 

・自分の行動が結果に直接影響するということ、つまりは自分は自らの運命の大半を支配する主人なのだということを再学習できる。

 

・努力が及ぶ範囲外の問題にくよくよ心配するのは、ただ自分のストレスレベルを高くすることにしかならない。

 

 

4.次の目標へ(コントールの円の拡大)

 

・自分の能力に対する信頼が固まってきたら、さらに外側に向けて努力を拡大していく。

 

 

このようにして、自分のコントロール可能なことを限定して、その円の中で集中して課題に挑み、達成することで、コントロールしている感覚が取り戻せのですね。

 

ボク自身もコントロールできる円をつくってみてわかったことなのですが、「他人と環境はコントロールできない」と思った方が精神衛生上良いですよ。

 

よく言われることですが、「他人は変えられない。変わるのは自分」とあるように、上司や部下にこうなってほしいというのは、こっちがストレスになるのでやめた方が良いとボク自身は思いました。

 

 現実的には、「自分が変わればなんとかなる」というほど物事の状況は単純ではなく、様々なアプローチが必要なのも確かです。

 

それでも、感情のハイジャックを予防するために、自分自身の基本姿勢として「他人は変えられない。変わるのは自分」と思うようにしています。

 

 

 

■まとめ

 

・やることが多すぎたり、負荷がかかりすぎると「感情のハイジャック」が起こり、身動きがとれなくなる。

 

・回避するには、コントロール可能な小さなゴールに的を絞って少しずつ達成範囲を広げる。

 

・自分がコントロールできることにエネルギーを集中させ、仕事の成果を向上させる。

 

 

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