投稿日:2021年3月26日
転職活動をはじめる。
副業をはじめる。
英語の勉強をはじめる。
ダイエットをはじめる。
投資をはじめる。
このような「何か新しいこと」をはじめるとき、全意識をそのことに向けて行動をはじめようとする。
これまで「やってこなかったこと」、「できていないこと」を行うには意志の力を大いに使うのが普通だ。
ただ、『4つのエネルギー管理術』によると、この意志の力でおこなっていることは全体の5%程度にすぎず、多くは無意識に行っているか、「要求されたこと」や「不安への反応」として動いているにすぎないと指摘している。
そこで、『4つのエネルギー管理術』(第10章 行動を起こす)から、この貴重な「意志の力」をあまり使うことなく「あたらしいこと」や「やるべきこと」を実行し、さらには継続して行動できるような方法のヒントを得ていこうと思う。
意志の力で「新しいこと」をする
意志と自制心は、私たちが思っているよりもずっと限られた、貴重な資源である。だから、よく考えて、ここぞというときに使う必要がある。自制心を使うちょっとした行動をしただけで、この資源は枯渇してしまうから、ある行動に使ったら、次の行動に使う分はあまり残っていないことになる。
意志の力を使うということは、それだけ多くの精神的エネルギーを使うのではないだろうか。だから、意志の力はそれほど多くは使えないのだろう。
ダイエットをしているはずなのに、ハードな仕事のあとに、お腹がすいてマックのポテトのにおいをかいだがために買ってしまったりすることからも、自制心もすぐに涸渇してしまうのはよくわかる。
自分の生活に新しい行動を導入したい、そして長続きさせたいと思うなら、その行動を持続させるために多くのエネルギーを割くようではいけない。
たった5%しか意志の力は使えないのであれば、冒頭にあげた「新しいこと」はなかなか行動にうつせないか、行動できても持続できないのではないだろうか。
他のことをやる余力が残っていない
自己管理に必要な「燃料」は、私たちの限られたエネルギーを使ってやりくりするしかない。エネルギーを一つのことに使ってしまうと、他のことに回せなくなる。
意志の力を一つの「新しいこと」で使ってしまうと、精神的エネルギーは涸渇してしまっているので、読書をするとか、ジムへ行くとか、料理をつくるといった他のことを行う余力も残っていない。
意志の力を使ったあとは、精神のエネルギーの回復をはかるための行動が必要であるが、そもそも意志力をあまり使わずに「新しいこと」ができればよいのではないだろうか。
意志の力を使わずに「やるべきこと」をやるには?
意志の力を使わずに、「新しいこと」や「やるべきこと」を達成するには、行動の自動化がポイントになると『4つのエネルギー管理術』では指摘している。
朝起きたら歯を磨くとか洗顔するといった「何も考えずにできること」に意志の力は不要だ。ほぼ自動化されている。しかも、毎日できているので習慣化されている。精神・頭脳のエネルギーコストは限りなくゼロだ。
『4つのエネルギー管理術』では、この自動化された行動を「儀式」と呼んでいる。最近よく使われる言い方であれば「ルーティン」のことだ。
何かを達成するために事前に決まった行動をとること。
これが「儀式」(ルーティン)なのだ。
例えば、ボクの場合、あさイチや寝る前に、必ず、ToDoListを作成する。念入りにつくればつくるほど、意志力を使わずに朝のスタートを切ることができる。これも「儀式」ということなる。
儀式(ルーティン)を持つメリット
何かを成し遂げたいときや、仕事で高いパフォーマンスを発揮したいときにこの「儀式」=ルーティンはかなり役立つ。
『4つのエネルギー管理術』から「儀式」を持つことのメリットをいくつか挙げてみよう。
儀式の最も重要な役割は、エネルギーの消費と回復のバランスがうまくとれるようにすることである。
儀式があれば、一番苦しいときでも、自分が何より大事に思っている価値基準に沿った行動をとり続けられるよう支えてくれる。
儀式をおこなって一貫して心の安定を保つことができてこそ、人は臨機応変の対応ができ、リスクを引き受けることができるのだ。
儀式は堅固な土台を築いてくれるため、そこからしばしば創造的な飛躍が生まれるのだ。
儀式を取り入れることで回復のための時間をもつゆとりも生まれる。そこで人間関係を深めたり、自分の生き方をじっくり振り返ることも可能になる。
儀式(ルーティン)をつるく
意志力を使う必要がありそうなところで儀式をつくっておこう。例えば面倒なやるべき仕事にとりかかるときや、ネガティブな場面に遭遇したときや、高度のパフォーマンスを発揮する必要のあるときなどだ。
「儀式」化しておくことで意志力を大幅に節約できるから、そのタスクが終わったあとも別のタスクができる。仕事が終わって帰宅しても、精神のエネルギーは涸渇してないから、運動や読書といった良い習慣も維持しやすくなる。
儀式の作り方のコツ
では、この「儀式」をどうつくればいいのだろうか。『4つのエネルギー管理術』で紹介されている方法をみてみよう。
回復のための儀式がより正確に、効果的におこなわれるほど、エネルギーの回復に要する時間も短くてすむ。
どのような場面で「儀式」が必要となるのかを明確にして設定るすことがポイントになる。
<1>「いつ」、「どのように」を明確に
儀式のタイミングをきっちり決めることと、行動の内容を正確に設定することが成功の秘訣であることは、さまざまな研究結果から明らかになっている。タイミングと正確さが求められるのは、人の自己管理能力には限界があり、すぐに涸渇してまうからだ。いつ、どこで、どのように行動するかを明確に決めておけば、実行する際にいろいろ悩む必要はなくなる。
「儀式」なので、具体的な行動をともなっていなければ「儀式」にはならない。儀式を発動するにもちょっとの意志力が必要となるので、なるべくその場で考えることのないような行動がのぞましい。
だから、その儀式を「いつ」おこなうのか。それを「どのように」するのかを明確にすることで、「儀式」は使えるものとなる。
<2>「やめよう」よりも「しよう」にする
嫌なことを言われてネガティブな気持ちなったときの儀式として「言い返さない」とか「怒らない」といったような「〇〇やめよう」系の儀式は自制心を大きく使うことなる。
ある友人が「”〇〇をやめよう”系の儀式を使えるようにするには、自制心を強化する修行が必要だ」と言っていた。修行が必要なほど「やめる」系で自制心を使うのは難しい。
それよりも「すぐに深呼吸しよう」「その場を離れる」といったような「〇〇しよう」系の「儀式」を設定する方がよい。
<3>一気にやるよりも徐々に
一つの成功は次の成功へつながるが、過剰は必ずといっていいほど失敗につながる。変化するということは、自分にとって快適な領域から出るということだから、少しずつ、扱いやすい量から始めるのが一番だ。
たくさんの「儀式」をつくっても、いきなり新しいことなど身につくことはなかなかないので、段階的にすこしずつ増やすといい。
<4>予習と復習をする
だいたい、習慣化して「儀式」がインストールできるまでに30~60日かかると言われている。時間がそこそこかかるものだ。
『4つのエネルギー管理術』によると、この期間をはやめ、より定着をはかるには、予習(朝いちで「儀式」を確認する)と復習(一日の振り返りをして「儀式」が有効かどうかをみて修正を加える)が有効だという。
予習:目的は常に一つ。それは「自分のビジョンをもう一度確認し、何を、どうやって達成したいのかをはっきりさせたうえで儀式の習慣化という作業にとりかかる」ことである。
復習:一日の終わりに、その日の自分をきちんと振り返っておくことである。つまり「本当はこうしたかった」ことと、「実際にとった行動」とのギャップを正確に把握しておくことだ。
まとめ
やるべきことを達成するための最大の仕組みは「儀式」だ。意志力・自制心を節約するには自動化された「儀式」(ルーティン)を作り、それを行うことで気持ちをセットしたり、切り替えたりもするのだ。この「儀式」を使うことで、その日に「やるべきこと」を達成し、他の大事なことにもエネルギーが使えて、充実した一日を過ごせそうだ。
おわりに
ボクも「儀式」はいくつか持っていて使っている。先ほども紹介したが、「やることリスト」を寝る前や、朝イチで作成することや、タスクを切り替えるときに「コーヒーなどの飲み物を飲む」といった「儀式」がある。
これから作ろうと思っているのは、「ネガティブな気持ちになったとき」を対処するための「儀式」をつくろうと思っている。
これは、自制心や意志力だけでなくエネルギーをかなり消費するので、色々と試しながらつくっていこうと思っている。
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