思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

【書評】『読みたいことを、書けばいい。』@あなたの文章は読まれないのが普通


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投稿日:2021年4月28日

 

ブログを書きながら、いつも思うことはただ一つ。

 

文章が上手く思うように書けない

 

ということだ。

 

 

だから、文章術系の本が目に付けばとりあえず手に取って読んでみたくなるのだ。読んでみると、大半の本は「作文のイロハ」のようなことが書いてある。そして、読んでいくうちになぜか読む気が消え失せてしまう。

 

 

そんな、文章術の本の中で、最後まで一気に読むことができたのがこの本だ。

  

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

  • 作者:田中 泰延
  • 発売日: 2019/06/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

「文章術」と銘打ってあるが、文章術のこまごまとしたことはあまり記されていない。どちらかといえば、著者の「文章を書くということ」の基本方針を面白おかしく綴っているのだ。だから、単純に読み物として面白い。

 

著者の田中氏は大手広告代理店でコピーライター・CMプラナーとして24年間働いていたそうだ。コピーライターだから短い文にすべてを凝縮することには長けているのだろうか。

 

文字が多い本は、それだけで読みたくなくなることはよく知られている。大切はことは文字が少ないことである。本書は、できるだけ文字を少なくし、無駄な記述を徹底的に排除したつくりになっている。

 

コピーライターという職業柄なのかどうかはわからないが、この本は確かに文字がちょっと大きめで、行間が広く読みやすい。

 

文章術の本のはずなのに、 軽快な文体で、どんどん読み進んでしまう。どことなくニヤリとしてしまうところもあるのだ。

 

 

 

 

 

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読書対象者

 

次のような人におススメ。

 

  • ブログで何をかけばいいのかがわからなくなった人
  • 世間によくある「文章テクニック本」から脱却したい人
  • 文章技法に縛られて文章を書くことに疲れてしまった人
  • 面白くてクセのある文章を読みたい人

 

※モノを売りたい文章を書きたい(セールスライティングしたい)人には向いていないかもしれない。

 

 

要約

 

かなりおおざっぱに言えば、文章を書くための技術を伝えるのではなく、自分自身が読みたいような文章を書くための「考え方」を示すことがテーマである。

 

逆に、「偉いと思われたい」とか、「成功したい」「売りたい」といった他者の視線を意識しすぎて文章を書くと、結局、人には読んでもらえない文章ができあがると著者は言う。

 

この本は、そのような無益な文章術や空虚な目標に向かう生き方よりも、書くことの本来の楽しさと、ちょっとのめんどくささを、あなたに知ってもらいたいという気持ちで書かれた。

 

その上で、「なに」を書き、「だれ」に書き、「どう」書き、「なぜ」書くのかを章ごとに綴っている。

 

 

読書メモ

 

では、『読みたいことを、書けばいい。』から「メモ」にとった一部をご紹介。

 

自分がおもしろくもない文章を、他人が読んでもおもしろいわけがない。だから、自分が読みたいものを書く。

 

それが「読者としての文章術」だ。

 

これは、これで書いたモノを発表するときにプレッシャーになる気もするが……

 

 

自分で開設したインターネット上のスペースにそんな文章を載せても、だれも読まない。なぜか。あなたは宇多田ヒカルではないからである。

まず、書いた文章を自分がおもしろいと思えれば幸せだと気がつくべきだ。

 

まったくその通りで、ボクのようなパンピーが書いた文章は、読まれないことが普通で、偶然通りかかった人に読まれたらラッキーぐらいな感じでとらえた方が健全かもしれない。

 

 

 

まとめ

  

ネット時代は、書きたい人が多くて、読みたい人が少ないので、文章でお金を取れる人はごく一部になってしまう。

 

だが、文章を書いて人に見せるたびに、「それは誰かの役に立つか? いままでになかったものか?」と考え抜けば、価値のある意見には、必ず値段がつく。

 

と著者は言う。ネット上にある記事はSNSも含めて無限大にあり、日々増産されている。

 

そんな無限にある記事の中で、自分の書いたブログの記事が、自分のためだけではなく、たまたま通りかかって読んでくれた誰かの役にたつことができれば、嬉しい限りだ。

 

こういった偶然の出会いもブログを書くことの醍醐味だと思う。 だから、ブログはこれからも書き続けよう。

 

 

『読みたいことを、書けばいい。』の目次

 

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

  • 作者:田中 泰延
  • 発売日: 2019/06/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

はじめに 自分のために書くということ -書いたのに読んでもらえないあなたへ

 

序章 なんのために書いたか
付録1 田中泰延が書いた記事10選

 

第1章 なにを書くのか ~ブログやSNSで書いているあなたへ~
その1 文書と文章は違うことを知っておく
その2 ネットで読まれている文章の9割は「随筆」
その3 書く文章の「分野」を知っておく
その4 定義をはっきりさせよう
その5 ことばを疑うことから始める
文章術コラム1 広告の書き方

 

第2章 だれに書くのか ~「読者を想定」しているあなたへ~
その1 ターゲットなど想定しなくていい
その2 だれかがもう書いているなら読み手でいよう
その3 承認欲求を満たすのに「書く」は割に合わない
その4 何を書いたかよりも誰が書いたか
その5 他人の人生を生きてはいけない
文章術コラム2 履歴書の書き方

 

第3章 どう書くのか ~「つまらない人間」のあなたへ
その1 つまらない人間とは「自分の内面を語る人」
その2 物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛
その3 一次資料に当たる
その4 どこで調べるか
その5 巨人の肩に乗る
その6 感動が中心になければ書く意味がない
その7 思考の過程を披露する
その8 「起承転結」でいい
文章術コラム3 書くために読むといい本

 

第4章 なぜ書くのか ~生き方を変えたいあなたへ~
その1 書くことは世界を狭くすることだ
その2 貨幣と言語は同じもの
その3 書くことはたった一人のベンチャー起業
その4 文字がそこへ連れてゆく
その5 書くことは生き方の問題である
付録2 田中泰延について書かれた記事5選+おまけ

 

おわりに いつ書くのか。どこで書くのか。