「ツイッター」というタイトルに惹かれて読んでみた本に『ツイッターノミクス』というのがあります。ざーっと読んでみたらツイッターの活用本でもなく、ツイッターの歴史について本でもなく、ツイッターのマニュアル本でもなかったのです。
『ツイッターノミクス』タラ・ハント著
- 作者: タラ・ハント津田大介(解説),村井章子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/03/11
- メディア: 単行本
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この本の最後の「解説」で津田大介氏がこんなことを書いていました。
この本はツイッターそのものではなく、ツイッターに代表されるようなウェブ2.0によって花開いた様々なツール−ブログやSNS、ウィキ、ポッドキャスト、ソーシャル・ブックマーク−などによって、僕たちの住む世界のルールがどう変ったかを、その先進国アメリカの事例をもとに、わかりやすく書いた解説書だからだ。単なる評論家的な解説にとどまらず、長年、オンラインの経験をノウハウがたっぷりと詰め込まれているのもポイント。
ツイッターだけではなく、SNSやブログのようなソーシャルメディアがたくさん誕生したことで、自分を言葉で表現することができる機会が増えました。ボク自身もこうやってブログ書いているわけですし。他にも画像で表現したり、動画や音声で表現することも従来よりも比較的簡単にできるようになったようです。多くの人が自分(パーソナル)のことを表現するようになり、その表現としての情報が流れるようになりましたね。
梅田望夫さんが『ウェブ進化論』や、『ウェブ時代をゆく』の中でこういったソーシャルメディアで自分を表現する人たちを「総表現社会参加者層」と書いておりました。たしか日本だと1000万人くらいが該当するとかしないとか・・・。Twitterの参入障壁の低さはその数以上になるかもしれませんね。
そんな自分を表現する場としてのソーシャルメディアですが、企業も参入してきています。経済活動の場としても使われます。個人においても、パーソナルブランディングの流通の場としてソーシャルメディアは欠かせません。けど、あまりにも宣伝色や広告色のメッセージが強すぎると不思議とスルーするようになります。きをつけないと(汗)。
ソーシャルメディアでの個人や企業の情報の信頼・価値をはかる考え方にウッフィーという言葉が紹介されています。ウェブ2.0の世界で成功するためには資本を持つ人になるというが、その資本はお金ではありません。
ソーシャル・キャピタルは、お金ではないのだ。ソーシャル・ネットワークで結ばれた人同士の間に時間をかけて育まれる信頼。あるいは尊敬。あるいは評価。こういうものが、ソーシャル・キャピタルを形成する。ウッフィーは、このソーシャル・キャピタルという固い言葉の別名と思ってもらえればい。そしてソーシャル・キャピタリストとは、大勢の人と信頼関係でつながり、コミュニティを形成し、ウッフィーを増大する人を意味する。
なのでウッフィーは、ソーシャルメディアの中で関わった人たちに価値のあることが提供できればウッフィーは増え、逆ならば減るということらしいです。この本では個人でも企業でも両方の事例が豊富に書かれています。そして、このウッフィーを最大化するための5つがあるといいます。
- 大声でわめくのはやめ、まずは聞くことから始める。
- コミュニティの一員になり、顧客と信頼関係を築く。
- わくわくするような体験を創造し、注目と集める。
- 無秩序もよしとし、計画や管理にこだわらない。
- 高い目標を見つける。
5つを読んでみると至極当然のような気もしますが、何かを成し得ようとするときに、これらの基本的なことを忘れてしまいがちです。忘れると、この5つのことと逆のことをやってしまったりしてウッフィーを減らしかねないです。自分ごととしてゆめゆめ気をつけねばなりません。