思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

今は変化の変わり目 @ 『ドラッカー最後の言葉』


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ドラッカー先生が人生の総仕上げのときにどのようなことを言われていたのか? そんなことを漫然と考えていたら、なんだかぴったりなタイトルの本がありました。
 
ドラッカー最後の言葉』ピーター・ドラッカー

ドラッカー最後の言葉 (講談社BIZ)

ドラッカー最後の言葉 (講談社BIZ)

 
ただ、やはり言われていることは「強み」や「成果」、「イノベーション」のことで、それまで言われていたこととを強化するような内容でした。
  
この本では日本人に向けて発せられた内容もあり、いろいろと示唆に富んでい考えさせられます。
 

読書メモ

 
■重責を担う2つの国

  • 新しい秩序へと向かう、混迷した世界の中で、重要な役割を担う2つの国があります。一つはイギリス、そしてもう一つは、他でもない、あなたたちの国、日本です。

 
■「日本危機の」の嘘

  • 失われた10年」という言葉に代表されるように、この十数年間、「日本が危機的状況に瀕している」という言われ方が幾度となく繰り返されてきました。明らかな間違いです。日本が直面しているのは危機ではなく、時代の変わり目=移行期だからです。

 
■何を残し、何を変えるか

  • 日本が誇るもう一つの伝統、終身雇用制度については、むしろ残したほうがいいというのが私の考えです。日本人にはより所となるコミュニティが必要不可欠で、終身雇用制は会社をコミュニティにすることを保証してきたからです。
  • ただし、何事にも「継続と変化のバランス」が重要で、終身雇用制を保つ一方で、人材の流動性を確保する必要がある。なぜならば、新しい時代の労働の中軸をなす知識とは、きわめて流動的なものだからです。
  • 何を残し、何を変えていくのか、この舵取りを誤ったならば、日本社会は早晩、時代の変化についていけなくなるでしょう。

 
■チャンスに目を凝らせ

  • 中国市場における好機の話題に絡めて、日本人のものの考え方において大きなリスクとなり得る点を指摘しておきましょう。
  • あなたたちの多くが「問題重視型」の思考様式に囚われていて、「機会重視型」の発想を持っていないことを危惧しています。
  • 現在の日本で好調を維持している企業は、例外なく機会重視型であり、決して単なる輸出企業ではありません。反対に問題を抱える企業が多くある小売業界には、問題重視型の会社が見受けられます。
  • 問題を放置することは許されませんが、問題のみに目を向ける姿勢は、過去の悪しき習慣を復活させる行為と等しいことを理解しておいてください。

 
終身雇用の終焉が言われる中で、このドラッカー先生の指摘は興味深いです。終身雇用がよりどころとなるコミュニティを保障してきた側面は大きいと思います。日本人の場合、キズナを感じれるコミュニティの存在が幸福度に大きく影響される傾向にあるように思えるからです。
 
また、日本が直面しているのは「危機」ではなく「変化の変わり目=移行期」という指摘は、なにやら勇気付けられます。この移行期は、生みの苦しみの時期で30年はかかると言われていますね。この時代の変わり目に何を軸にどう生きますか? 考えさせられます。