思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

無意識の知性 @ 直感


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新聞、TV、雑誌、インターネット、メール、と、自分の周りには情報が溢れている。関心あること、ないこと、その一つひとつを吟味している時間はありません。
 
だから、意識なのか、無意識なのかわかりませんが、情報を選択して読み取っています。何をきっかけに情報を読み取っているのでしょうか。
 
意識化されたテーマがあれば、それが情報を取得するトリガーとなりますが、そんなテーマなんて全てのことにおいて設定しているわけではありません。
 
膨大な情報の中から情報をピックアップするのは、根拠なき直感によってなされることが圧倒的に多いようです。こんな本があります。
 
『なぜ直感のほうが上手くいくのか?』ゲルト・ギーゲレンツァー著

なぜ直感のほうが上手くいくのか? - 「無意識の知性」が決めている

なぜ直感のほうが上手くいくのか? - 「無意識の知性」が決めている

 
直感について書かれた興味深い本です。ロジカルシンキングによって導き出された一つの解が、当初抱いた直感による解と異なった場合、ボクは直感での解を選びます。論理的に出された解や、そのプロセスは他の手段の可能性とリスクを検討する際の判断材料となります(ただし、この判断は自分の中になんらかの経験がある分野や、近似した領域に経験がある場合に限ります)。
 

直感が根拠とする情報はあまりにも少ない。そのため、多いほど良いに決まっているという信念を内に秘めた私たちの超自我の目には、信用できないように映るのだ。しかし、実験では、時間も情報も少ないほど良い判断が下せる場合があるという驚くべき事実が証明されている。

 
これは経験的に同感なのですが、直感を他者へ説明することは困難なので、理屈付けするためのなにかは必要となってきます。自分の中では決まっていても、同僚や上司なのどメンバーに伝えるには直感だけでは不足しています。そこではじめて論理的ツールが役立つ感じです。
 
この「直感」って何なのか?この本ではさまざまな視点から解説されていますが、「無意識の知性」として説明されているところがあります。
 

直感は、脳の進化した能力を利用し、驚異的な精度での迅速な行動を可能にする経験則に基づいている。直感の素晴らしさの秘密は無意識の知性、つまり、状況に合わせて頼るべき規則を考えなくとも理解できる能力にある。

 
過去の経験則を高度に抽象化して、さまざまな具体的な事象に対応できるようにしているのが直感ということですかね。高度な知性、つまり、「無意識な知性」が直感の本質だと思います。
 
ではこの無意識な知性はどうやって形成されたのか?
 

遺伝子と文化と個人が創出して広めた経験則がぎっしり詰まった適応的道具箱

 
著者は直感をこのようにも表現しているのですが、ここに直感の形成要素がはいっているようです。
 
人類が進化していく過程で培ってきた遺伝子国、地域などの文化といった集団レベルでの経験則、わりと表層面に近い個人レベルでの経験則、これらの膨大で抽象化された情報群を使って適応的に物事を判断していると。
 
脳内ワークメモリー上での思考錯誤も裏づけをとるためには必要なのでしょうが、もっと大事にしなければならないのは、直感なのかなと、最近は思うようになりました。