思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

価値観の異なる相手と対話する力


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久々のブログ更新です。
はやいもので前回の更新から1ヶ月以上たってしまいました。
 
別の方のブログに時間を割きすぎてこっちがスカスカとなってしまいました。それまでに読みためた本がけっこうたまっているので、随時読書メモとして再開します。
 
どんな場所へいっても、理解し難い相手っていますよね。好き嫌いが違う、やり方が違う、そもそも価値観が違う。そして目的も違う。なかなか話って通じ合いません。そんな不都合な相手と話を進めなければならないことってありますよね。そこでこんな本があります。
 
『不都合な相手と話す技術』北川達夫

不都合な相手と話す技術 ―フィンランド式「対話力」入門

不都合な相手と話す技術 ―フィンランド式「対話力」入門

 
グローバルスタンダードの言語教育を指導をしている著者は「価値観は共有できない」といいます。つまり、はたから価値観などわかりあえるものではないってとなのでしょう。そうかなーとおもいつつ、そう思った方が健全なのでしょう。
 

対話とは「わかりあえない」ことを前提としたコミュニケーション。価値観の異なる相手の考えを、「絶対に違う」「絶対におかしい」ととらえるのではなく、あくまでも「わからない」ものとしてとらえる。

 
これですよね。違う!とかおかしい!とかではなく、まずは「わからない」ものとして認知していく。
 

相手の話をよく聴き、自分が理解できるまで質問し、相手の考えに正統性が認められるかを考える。決して相手の考えか「正しい」かを判定するのではない。自分はそう考えないが、相手がそう考えるのも一理ある−−と、最低限度の納得ができるかどうか。こう考えて、価値観の異なる相手との歩み寄りのポイントを模索するのが対話なのである。

  
対話とは価値観の異なる相手を説得することではなく、相手の思考や価値観を自分の価値観や思考と照らし合わせながら同意できる点を探し続けるということなのですね。このことから相互尊重や新たな価値が生まれ出るのかもしれません。
 
これは文化や政治レベルの対話だけではないようです。
 

OECDが21世紀に入ってから立て続けに発表した報告書によれば、多様性の度合いを深める世界においては、人間関係こそ重要な「社会資本」であるという。これからの時代に生き残っていくためには、いかなる相手とも対話によって人間関係を構築しなければならない。双方が満足できる結果を求めて協働しなければならない。そのような資質が個人にも社会にも必要だというのだ。

 
ボクら個人においても価値観の異なる人たちと「対話」する力がますます必要となっているようです。
 

対話は価値観の共有を前提としないコミュニケーションである。あくまでも「あなたと違うワタシ」なのだ。その違いから共通点を見い出す。共通点を土台にして、再び自分と相手の違いに目を向ける。ここに対話の神髄がある。同じ土台に立ったとしても、自分に見える世界と相手に見える世界は違うのだ。見せ世界が違うからこそ「わかりあえない」。だが、違うからこそ、新たな地平の開かれる可能性もあるのだ。

  
情報がごったがえしている状態からあらたな価値を作り出す基本が「対話」にあるようです。地道で忍耐力のいる作業が対話なのかもしれません。「この人とあわないなー」「話したくなーい」と思ってしまう相手こそ対話にふさわしい相手なのでしょうね。さー、実践できるかな?(汗)