超短メモ
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/04/15
- メディア: 文庫
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■行動しない人
- 人は行動しなければ何も起こりません。世の中には失敗を怖れるあまり、何ひとつアクションを起こさない慎重な人もいます。それでは失敗を避けることはできますが、その代わりに、その人は何もできないし、何も得ることができません。
■よい失敗・悪い失敗
<良い失敗>
- 起こってしまった失敗から人々が学び、その経験を生かすことで「未知」なる知識の発掘に成功した場合。
- 「個人にとっての未知」への遭遇。その人の成長過程で必ず通過しなければならない失敗は「よい失敗」。
<悪い失敗>
- 良い失敗に含まれない失敗。
■失敗情報
- 失敗情報は伝わりにくく、時間が経つと減衰する。
- 失敗情報は隠れたがる
- 失敗情報は単純化したがる(A→B→C→DなのにA→Dとなってしまう)
- 失敗原因は変わりたがる(利害関係者によって失敗が意図して歪曲化される)
- 失敗は神話化しやすい(悲劇の戦艦大和)
- 失敗情報はローカル化しやすい(他の場所へは伝わりにくい)
■失敗は創造への必要プロセス
・行動に始まって、体感・実感によって知識の受け入れ素地を築いた後は、自分の失敗体験だけでなく、他人の失敗体験を仮想失敗体験として吸収し、さらには学習した知識などを次々吸収して蓄えていきます。その中で、最終的には真の理解へといたるのが、創造力養成のための理想的プロセスです。
・致命的な失敗が起こる原因
- 技術が成熟していること
- 大生産、もしくはコストダウン対策やリストラ策がはかられているところ
・「局所最適と全体最悪」は失敗を誘発し、組織に著しい損害を負わせる直接の原因になりやすい。全員にシステム全体を理解させる全体教育を施すのが一番。
・失敗は、新たな創造行為の第一歩にすぎません。その失敗と上手につき合い、うまく活用していくためにも、まずは失敗を恥じである、減点の対象であると考えるいまの日本の失敗文化そのものを変えていく必要があります。
・なにかしらの目的意識を持った人が、実際の体験の中で自分自身でなにかを感じたり自分の頭で主体的に考えることこそが大事で、そのように行動している人だけが、どんな状況にも柔軟に対応できる本当の知力、本当の知識といったものを体得できるのではないだろうか。これが失敗学の根本にある考え方である。
・失敗自体は悪いことではなく、その経験の中で自分が見たこと、感じたこと、考えたことは必ず次に役立つ。このとき一番まずいのは、失敗に懲りて挑戦自体をやめてしまうことである。そうすることでたしかにその人は失敗することもなくなるが、同時に自らが進歩するチャンス、成長するチャンスも失ってしまうことになる。