思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

知の所有から共有・活用へ@『クラウド時代と』


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 中学生がワンピース等のマンガを動画撮影してYoutubeにアップしていて著作権法違反の容疑で逮捕されたということが最近ありました。
 
 ときおりこの類のニュースはみかけるけど中学生がアップしていたんですねー。さらにツイッターで「ねたばれ」といった内容のアカウントで活発にツイートしていたとか。こういったツールを普通に使っているのがいまの中学生なんですかねー。
 
 この著作権ですが、「知の所有を護るための法」なんだろうなーって思っています。こういったマンガや映画がYoutubeP2Pによってネット上にアップされ、「著作権が侵害されてきた」とコンテンツの作り手、販売元の人たちは言っています。
 
 そんなコンテンツの作り手であり販売元である角川グループの角川歴彦氏が「知のグローバリゼーション」に日本としていかに向き合い、あらたなネットワーク社会を構築することを『クラウド時代と<クール革命>』で提案しています。
 
クラウド時代と<クール革命>』角川歴彦

クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)

クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)

 
20世紀の日本はハードウェアで勝利してきたけど、21世紀に入りいつの間にかソフトウェアでは完全に米国の配下に置かれてしまったと。
 

日本がアメリカの情報植民地になる

 
という危機感も言われています。しかし、日本の独特の文化が現れている、マンガ・アニメ・ゲーム・映画等のコンテンツは世界中で「クールだ!」と高い評価を受けている。コンテンツパワーがあるということですね。
 
コンテンツパワーをさらに強くするために、角川氏は著作権侵害の作品も作品としてみて友好的な対応姿勢をとっている模様。著作権ベースで「知を所有する」から「知を活用する」への転換はなかなか難しい。インターネットが一般的に使われるようになって、自ずと知は共有されるものとなり誰にも止められないです。
 
知を提供する側がどこまで知を共有できるのか。知を活用する側がは新たな知を生み出し、それを共有する。既存のビジネスモデルでは対応できなくなっていのは角川氏も本の中で言っています。
 
「知のグローバリゼーション」と「情報技術のイノベーション」は新たなビジネスモデルを生むことになるのだろうけど、旧来の法律が追いつかなくなっているのが残念。それ以上にその法律によって護られてきた既得権者の意識を変えるのはもっと大変。かわらないのかも。
 
そん中、その既得権を最大限得てきた角川グループがこの流れに乗り、さらにはその先にあることまで踏まえて「日本独自のクラウド・コンピューティングを次世代情報インフラへ」といった新たな試みを提案しています。
 
もう数十年は知のグローバルの中で著作権も含めた「知」の扱いは混沌とした状態がつづくのだと思う。ただ、価値のない知は自ずと消え去っていくのだろうなーと思う。著作権以前の問題じゃないかと。個人でも会社(組織)でも国レベルでも同じではないかと思います。