GWの最終日(5/6)は、かぶこさん主催の「深堀読書会」に参加してきました。大前研一さんの『「知の衰退」からいかに脱出するのか?』が課題本でした。
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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場所は九段下の千代田区図書館の研修室。雨が降っていたけど参加予定の8人全員そろいました。本のボリュームがけっこうあったので、前半と後半に分けての読書会となりました。
■深堀読書会:前半
第1章 「低IQ社会」の出現
第2章 官製不況の根は「知の衰退」
第3章 1億総「経済音痴」
第4章 政局と「集団知」
第5章 ネット社会と脳
前半は本のこの範囲で気になったことや、考えたことや感想について一人5分ほど意見を述べます。また、それに化学反応するかのように様々な意見が出てきます。
個人的に印象深いと思ったものを「メモ」しておきます。
- ものを考えなくなっているのは過去の成功体験にしばられすぎている。
- 今の日本社会も製造業といったこれまでの成功体験にしがみつき、新しい産業が生まれにくくなっていると思う。
- 考えるのだが、なぜか行動に移さない。それは考えるのが面倒くさいから。
- 英語ができないと日本語に限定された情報に縛られて、情報が偏ってしまう。
- 日本人は死ぬ瞬間が一番金持ち。
- ネット・ケータイが使えないと、社会的に圧倒的に不利になっていくにも関わらず、既得権世代は新しいものを否定する。
- いまの子どもと10年前の子どもはとうかわってきたか。それは勉強の仕方をきいてくる。昔は量をこなして自分なりのやり方をつくっていくものだ。
■深堀読書会:後半
後半は場所をジョナサンに変えて第二ラウンド。
第6章 無欲な若者と学力低下
第7章 「集団IQ」を高める教育改革
第8章 「低IQ社会」で得をしているのは誰か
第9章 勝ち組から学べ
第10章 21世紀の教養
ここでもかなりいろいろと出たけど、話に夢中になりメモが・・・(^^ゞ
- 他者から学べ(ドイツ、韓国、中国)。中国の問題点はいくられでも言える。しかし、必要なのは自分にとって学べることは何かということだ。
- 21世紀の教養。これまでの教養とは大きく変わってくる。クラッシックな文学や音楽だけではない。環境問題への知識、サイバー社会の動きをしっていること。
- 小学生ぐらいまでは読み書きの力は詰め込んだ方がつく。
- 質問力がある人は、相手のアウトプットの質を向上させる。
■思ったことの「メモ」
この本は「知の衰退」とか「低IQ」とか読む人によってはかなり好き嫌いがはっきり分かれそうな本でもあります。しかしそれはサブタイトルにもある「そうだ!僕はユニークな生き方をしよう!!」とあるように、自分軸をもって意見を言えるということでもあるとも考えられます。
同じ一冊の本を8人ひとり一人が感想や意見、疑問を出し合いました。本の中からピックアップする箇所も、同じだったり、まったく異なったり。それぞれを聞くだけでも十分知見が広がりました。自分が読んだ本の内容以上のことが「マインドマップ」のようにどんどん広がっていく感じです。
こういう読書会をもっと続けて、多くの人が関わっていけば「知の衰退」から脱却できると思ったりします(^_^)
■最後は読書メモ
本を読むのに必要とした時間を1とすれば、5くらいの時間を
- 『何が書いてあったのか』
- 『それは自分にとってどういう意味があるのか』
- 『自分の会社にとってどういう意味があるのか』
- 『われわれの社会にとってどういう意味があるのか』、
そういうことを考える時間に充てなさい。次の本を読むよりも、その本について徹底的に考えることが大事なのである。
これぞまさに「深堀読書会」の醍醐味ですね。知的生産活動の基本となる活動ではないかと思います。
読み終わったあとは「みんなでディスカッションをしなさい」と勧める。そして読後に考えたことを、すべて吐き出させるようにしている。本で得たもの、ネットで得たもの、そしてディスカッションで得たものがいっしょになることによって、こうした読書集団の「集団知」はどんどん高くなる
読書集団ってのはいいですね(^^)。「集団知」をもっと効果的にアウトプットして、活用できる何かがほしいところです。今後のテーマとして考えていこうと思います。