思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

『経済は感情で動く』@感情ベースで買い物していない?


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 「クルマの車検が切れるから、買い換えようかなー」と思ってディーラーに行って見るだけのつもりがお店を出る頃には契約していたり、冷やかしでみにいったマンションのモデルルーム、なぜかその日のうちに仮契約をしてしまった。これ恥ずかしながら実話です。自分は衝動買いが強いのか!?
 頭では、「下調べしてから」とか、「見るだけ」とか考えて決めてお店に行っているのに、いつの間にやら何かに衝き動かされて結局買ってしまう。なんでちゃんと考えたとおりの買い物ができないのかなーって疑問に答えてくれそうなのが、この本『経済は感情で動く』(マッテオ モッテルリーニ著)です。


経済は感情で動く : はじめての行動経済学

経済は感情で動く : はじめての行動経済学


 この本のタイトル『経済は感情で動く』とあるように上記の話は、感情に突き動かされて理性が飛んでしまった実体験です。これなんとかせんと、また「思わず買ってしまった」ってことになりかねない。これはしっかり読んで理性をもって買い物できるようにしたいと思いました。

 サブタイトルになにやら行動経済学なるものが書かれております。そもそも経済学そのものにうといし、そこから「読みたくねー」というメンタルブロックも働き始めておりましたが、そこはフォトリーディング」することで抵抗感を薄めて読みました。読んでみると、けっこう面白かったです。全部は紹介しきれませんが、ほんの少し、ほんの少しだけ感想を書きます。

パート1「日常のなかの非合理」

 ここでは「日常のなかの非合理」をテーマに様々な例が書かれていてどれも身近で面白いです。読み進めていると心当たりがあるなーって内容が多かったです。例えば以下の洞察は面白いです(笑えんけどね)。

「お金の価値は一定」は幻想である。(中略)お金を使う用途によっても、たとえば日々の生活費となると一円まで細かくケチるのに、娯楽や遊びのお金となるとパッと使おうとする。


 思い当たるふし大有りです。セコセコと小遣いをケチってためているのに、旅行へ行くときは予算を気にせずにガツンっと使ってしまう。自分でもわけがわからなくなることがあります。家計の絶対量は減っていくのですがね(汗)。まったく何やっているんだか。

パート2「自分自身を知れ」

そんな不可解な人間、というか自分を知れってことがパート2「自分自身を知れ」で書かれています。ここの部分を読んでも変われるわけではありませんが、自分の無意識の行動などを知ることができます。ここを読むと無知な場合、理性って本当にあてにならんなーって思わされます。
こんな実験がありました。

【A】治療しないと死亡する思い病気にかかったとする。これまで飲んできた薬は死亡率を0.06%までに下げ、値段は3万円である。製薬会社は死亡率を0.003%にまで下げる新薬を売り出そうとしている。この新薬のためにいくら払ってもいいですか?

【B】新薬は死亡率を100万人につき600人から300人に下げる。この新薬のためにいくら払ってもいいですか?


学生を対象とした実験では以下のような結果がでたそうだ。平均して【A】の場合34,000円【B】の場合は58,000円を出していいと。
具体的な数字で、イメージしやすくかつ身近で重要な人の数を出すことで、そこに「情緒」が入り出していいとおもう金額が増えたという興味深い結果です。このことから表現が変わるだけで、情緒が入り、合理的な判断が変わってくるということができそうです。

パート3「判断するのは感情か理性か」

そして、最後は「判断するのは感情か理性か」ということろですがここまで読むと、いかに経済活動が人間の感情によって動き左右されているかが分かってきました。ここでは、脳や神経の話がでてくるのですが、他の本にもそういった内容のことはあるのでここでは割愛。本の最後のページに以下のように書いてありました。まったくその通りだなーっと思いそのまま引用させて頂きます。

エラーを減らすためにエラーを認めるということは、この世の生き物が持たない認知能力を持っているつもりにならないで、自分の限界を正直に認めるということだ。それはまた、日々の感情がうまく解決したように見えるいろいろなケースを研究し、罠を見つける術を身につけ、責任ある経済的および社会的選択をきちんとこなすということなのだ。それができれば、私たちの感情的弱みにつけこみ合理性の限界を利用して、ひそかに利益を引き出そうとする輩の餌食にもならないで済むだろう。


 最後、「要はだまされないようにしましょう」ってことでくくられている。これらをしっかり学び、今後の買い物時の判断基準とできるようにしたい。そして、脱・衝動買い!