思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

どんな希望を持っていますか?


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 最近、いろんな方とお話していて「やる気」にもいろいろあることがわかってきた。求める満足内容によってやる気の出し方もかなり異なる。「やる気」は欲望から発しているとわかりやすい。マズローって心理学者が人間の欲望をキレイに整理した。それはマズロー欲求段階説と言われる考え方です。
 
 
http://d.hatena.ne.jp/icchw/20090307/1236396109より拝借)
 
 この「生理的欲求」〜「承認欲求」自己実現欲求」とでは、欲求の質がかなり異なっている。前者は欠乏していることを満たしたいという「欲望」で生物的的で社会的な欲求だ。後者は成長などのあるべき状態を求める欲求で、哲学的な欲求だ。自己実現って人の価値観や趣向により千差万別なのでさらに複雑。
 
 多くの人は食欲・性欲・睡眠欲を満たし、衣類で身を飾り、好きな人と一緒にいたいし、人から認められたいはず。欠乏していることを満たすための欲望だ。それを満たすためにやる気が出る。ある意味わかり易い「やる気」だ。
 
 わかり難いのが自己実現欲求だ。欠乏していることが満たされた上に成り立つ欲求。戦後の日本は圧倒的にいろんなものが欠乏していたので、わかり易い欲求ベースで物事が進んだのだろう。そこからくる国全体のやる気が高度経済成長を成し遂げた。いろんなものが満たされ、成熟時代を迎えた。出来上がってしまった社会だから全体として不足が少ない。もちろん個人は別だけど。でも満たされない感がある。
 
 村上龍の『希望の国エクソダス』にこんな言葉が出てくる。
 

この国には何でもある。ただ希望だけがない。

 
 この言葉を思い出したとき、自己実現欲求というのは、欲望といよりも希望なのかもしれないと思った。成長欲求でもあるので、過去や今よりも未来のことだ。未来は希望に満ちていないと前へは進めない。希望の有り無しがこの自己実現欲求の「やる気」と深く関係しそうだ。
 
 成熟社会の中でいかに、未来への希望をもてるのか? 個人においても創造力を豊かにしないとイメージできない。そのイメージが希望となり、そこへ向かうためにやる気が出てくる。
 
 閉塞感や行き詰まり感は希望の欠如からきている。それは未来へのイメージが出来ていないということだ。希望がないからやる気も出てこない。たとえ、やる気があったとしても、それは欲望ベースでのやる気だ。もちろんそれも必要だが、今の時代、特に必要なのは希望ベースでの「やる気」だと思う。みなさんはどんな希望がありますか?