はじめて「仕事」をしたのはいつの頃でしょうか。対価を頂いての仕事って何ですか?
ボクは中学2〜3年生の頃に地元新聞の夕刊の配達を自転車でやっていました。時給ではなく一部10円といったバイト料でした。それでも月にすると10,000円ぐらいにはなったものです。数ヶ月アルバイトして、6万のCDプレイヤーを買いました。
それから10年が経ち、ある会社に就職しました。中学生の頃のバイトとは異なり、仕事そのものが多岐にわたり複雑で、遂行するために要する知識も多くを要しました。
自分が普通に「仕事」ができるようになるまでに、どれくらいかかったのでしょうか。
なんとなくですが、1年以上はかかっているように思えます。
「とにかく頑張るしかない」と根性で乗り切ろうと思ったり、休みの日も不足している知識を増やそうと勉強したり。なんだか苦しい頃でした。
なんで苦しかったのか?
それは学校と異なり、「カリキュラムがあってそれに則ってあることができるようになる」というものではなかったらです。学校で何を学んできたのだろう??って思うことがしばしありました。
仕事ができるようになるにはどうすればいいのか?
それがよくわからずにもがいていた頃でした。
その頃の自分に読んで欲しい本があります。
- 作者: 若林計志
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/10/19
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
飛行機が離陸してから上昇し、水平飛行に入るまでが一番パワーが必要なように、現在演じている「役」から、新しい「役」に移るまでには大きなパワーが必要です。それを気合で乗り切ろうとしても、ほとんどの人が途中で失速して墜落してしまいます。だからこそ「プロフェッショナル」の力を借りるのです。「プロフェッショナル」という役を演じることで、ジェットエンジンのような強力な推進力を手に入れ、水平飛行に入るまでの道のりを一気に乗り切ってしまうのです。その後で本当に自分の演じたい「役」を追求していけばよいのです。
まさに仕事をはじめた頃って、離陸のときなんですよね。パワーが必要です。ボクはただただ飛び方すらわからずもがいていました。うまく飛んでいる人をみればいいのですが、そんなことにも目がいかない状況でした。
その後、同僚や上司のやり方を参考するようになり、それとなく飛び立つことができるようになってきました。一度、飛ぶ感覚を覚えると、ヤル気が出てきてガゼン楽しくなってきます。
「学ぶとはそもそも何をしようとしている行為か」と考えると、優れた人が生み出した情報処理の「型」を習得することに他なりません。脳科学的に言えば、一流と同じ脳神経(ニューロン)の回路を自分の頭の中に作る事です。スポーツでも料理でも、うまい人と同じ動作を繰り返す事で同じ部分の神経細胞がつながります。さらにそれを何度も繰り返す事で、片側1車線の道路が6車線の高速道路になるように脳神経が太くなります。これこそが「上達する」という事なのです。
仕事を通して学ぶことの本質がわかってきました。時間はかかりました。この本に書いてあるようなことをその頃知っていたら、努力の注ぎ方、努力の方向が正しくわかったと思います。その頃の自分にも読ませたい本、そう思いました。
あ、もちろん、ただたんに「仕事ができるようになる」だけではなく「プロフェッショナル」を目指す人にとってより人間の本質的なことが紹介されています。新書本としてコンパクトにまとまっていて、なんともお得な感じの本なんですよね。
読んだあとも、再読をしたくなる。
そんな本です。