上司や、部下、同僚、友人、お客さま、彼女・彼氏、奥さん、ダンナさんに自分の言ったことが伝わってないことありませんか? しっかりと話しているはずなのに、話したことを無視するような行動を相手がとったりする・・・。その結果から「言ったことが相手に伝わっていない」ことに気づきます。
言葉不全。
話しても伝わらない言葉、書いても伝わらない言葉。
誰もが言葉を書いている、言葉を話している。しかし伝えてはいない。
大声を出せば鼓膜や網膜には届く、しかし脳に伝わっていない。
『伝える本。』山本高史
- 作者: 山本高史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/02/19
- メディア: 単行本
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この本はキャンペーン広告を手がけているコピーライターの方が書かれた本です。コピーライターというだけあって言葉への扱いが丁寧です。ボクと大違い(汗)。
言葉を書いたり、話しているけど「伝えてはいない」と。それは言葉の「送り手」と「受け手」のすれ違いであり、そのすれ違いを「送り手」が無視しているか、気にしていないところに起因するのだろうなーと思ってはいました。
著者の山本さんは、
受け手を自分の望む方向へ動かしたければ、受け手の言って欲しいことを言ってあげるとよい。受け手の言って欲しいことを知るには、受け手の状況と自分の状況の共有エリア(事情、経験、記憶、気持ちの重なる部分)を自分の中に発見し、そこで受け手の尺度を自分の尺度として持つことだ。そうすれば、自分の言って欲しいこと=受け手の言って欲しいこと、となる。
と言われています。「相手の言って欲しいことを言う」ってシンプルなこと言葉ですが、現実は相手の言って欲しいことなんてわかり難いものです。山本さんは「言葉のメカニズムを効果的に発揮させる作業」としてつぎのように言われています。
- 「受け手」の状況を知ること。
- その状況から、「受け手」がその時何が不足だと感じているか、を判断すること。
- そのために、「受け手」の状況と自分の共有エリアを発見すること。
- その共有エリアに立ち、「自分だったら」何が不足か?ゆえに何を言って欲しいか?と考えること。
- つまり、「受け手」の尺度を自分の尺度として考えること。
- その尺度に沿って「自分の言って欲しいこと」=「受け手の言って欲しいこと」とは何か?を選び出すこと。
- そして、それを言葉で明確に約束すること。
「伝える」という意味のコミュニケーションができる人は、この「共有エリア」を見い出せていることが多いと思います。ストレングスファインダーの「共感性」という資質が強い人は、相手の状況を感じ取る上で優位かもしれません(上手く表現できるというコミュニケーションの資質とは異なる)。相手の状況を知り、何が不足かを感じ取る。これが自然とできる人は「伝える」スキルで強みを発揮できるのだと思います。
なぜ相手に言っていることが伝わないのか?「送り手」側の「受け手」に対する想像力の欠如と怠慢によって伝わらないのかなと思いました。いろいろ反省するところがあります(^^;)