先日のエントリーで、時間力を高めるための『時間力養成講座』小宮一慶著を紹介しました。(仕事の質を変える時間の使い方 @ 『「時間力」養成講座』)その中で「時間力」を高めるための一つに集中力が重要な要素であることを書きました。
ボクは集中力こそが「時間の密度」を変え、「仕事の質」も良くすると思っています。「集中力」にとことん拘って書かれた本を紹介したいと思います。
『機長の「集中術」』小林宏之著
- 作者: 小林宏之
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2010/03/27
- メディア: 単行本
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日本航空で42年間病気で休むことなくフライトを続けてきた機長が書かれた集中力メソッドです。多くの人の命を預かってフライトするのですから緊張の連続であると思います。また離陸・着陸・緊急時にいかに集中力をあげて対処するのか。長年の実践から培われてきたことがもったいなくも一冊の本にまとまっているのです。
「○○術」と書かれている本で、最初から最後までその「○○」について書かれている本はあまり多くありませんが、この『機長の「集中術」』は正真正銘フル「集中術」がテーマの本です。「集中術」にしっかりと「集中」(笑)された内容でこの本そのものが集中力の根幹が現れているなーと思った次第。
機長は言い切ります!
集中力は誰にでも備わっている機能であり、一種の技術(スキル)です。集中力がスキルである以上、テクニカルスキルと同様に、目的意識の強さ、教育、訓練、努力、工夫、習慣などによって、いくらでも、何歳になっても伸ばすことができるのです。
正しい知識と訓練によって集中力は強化されるということです。これはありがたい! また、集中力を阻害するものとして、「空腹感と満足感」から食後や空腹時には集中力が必要なことを外すとか、睡眠不足・疲労、不快環境など、環境面からも状況を変えていくことが言われています。主体的に状況と整えるのと、環境の両方が必要ってことですね。
皮肉っているのかどうかわかりませんが、集中力の達人として「電車の中で化粧をする人」と「遊びに興じている子ども」をあげていました。他人の目を気にせずにそれに集中するって、どんな場面でも集中力を要する場合には他人の目を気にしていたら成り立ちません。
で、肝心の集中力の発揮する方法ですが、「これはいいかも!」と思ったことを箇条書にまとめます。
- 好きになる、興味をもつ、面白くやる
- 今、ここに集中する
- はっきりとした具体的な目的意識・目標をもつ
- 目標には期限をつける
- 健康の維持・向上
- 疲れや睡眠不足に対するマネジメント
- 具体的かつ詳細にイメージする
- 誘惑を取り除く(勇気をもって捨てる習慣をつくる)
- ストレスに対する免疫力を高める
- 環境を整える
小林機長は「集中力は大事ですよーっ」てことをずっと書かれているのですが、使用上の注意としてこんなことも書かれています。
- 注意力や、リソース(資源)を集中したもの以外のものが見えなくなったり、周囲の変化に気付くのが遅れてしまうことがあります。特に、一点集中の際に、思い違い、錯覚、勘違いなどのヒューマンエラーを起こしやすくなる、という落とし穴があります。
- 集中力を発揮しようとする際には、こうしたリスクをあらかじめ意識して、落とし穴に落ちることのないよう、複数の情報で確認するなどのリスクマネジメントを実践することも大切です。特に、うまくいっているときほど注意が必要になります。
さすが機長です! こうしたリスクマネジメントを含めた「集中力」によって多くの乗客の安全を守って運行しているのですね。気が散ってしまう方、ぜひこの本の一読をオススメします。