投稿日:2021年2月11日
仕事が上手くいかなくて、上司に叱られ、同僚から嫌みをいわれたり、お客様からのクレームに気持ちがどんよりしたり……。
そんな職場で一日を過ごし、帰宅してもパートナーとささいなことでケンカをしてしまったり、子どもと叱ってしまったり、自分自身をリラックスさせる時間を取れずに一日が終わってしまう。
こうやって様々なネガティブな感情に振り回されていると、自分のエネルギーがどんどん減っていくのがわかります。
寝ることによって一時的に回復しても、こういった日々が毎日続くとエネルギーの全体量がずっと低いままでいる状態が恒常的になってしまい、気づいたら鬱っぽくなっり、カラダの一部に不調をきたしたり……。
この流れのある感情・気持ちのエネルギーのことをこの本の中では、
「情動面のエネルギー」と著者は呼んでいます。
『4つのエネルギー管理術』では、今回のテーマである「情動面のエネルギー」の他に、「肉体面のエネルギー」「頭脳面のエネルギー」「精神のエネルギー」の各エネルギー管理について述べられています。概要は以下記事をご参考にどうぞ。
肉体的なエネルギーは情動が力を発揮するための燃料となる。最高のパフォーマンスをするには、ポジティブで快適な気持ち――楽しむ気持ち、挑戦する気持ち、冒険する気持ち、よい機会だと思う気持ち――が呼び起こされていなくてはならない。
と、あるように、この「情動面のエネルギー」は、「肉体面のエネルギー」と密接に関係していて、日常的にコントロール可能で何らかの行動を計画的に実行することでエネルギーの回復を図られるようなのです。
「肉体面でのエネルギー」の回復については以下でまとております。
■「情動面のエネルギー」とは何か?
「情動」は緩急の流れのあるエネルギー状態で、ポジティブにもネガティブにも変わりうるエネルギーです。ここでは「ポジティブ」な状態であることが、高いパフォーマンスを出すために必要であると言われています。
また、
ネガティブな情動が慢性的にある場合はさまざまな肉体的な障害や病気となって現れやすい
ので、エネルギー状態を「ポジティブ」な情動へと持っていく方が良さそうです。
そして、ポジティブな情動を動かすための「筋肉」といわれる仕組みが心にはあり、それは次のように分けられています。
大きな「筋肉」=基本となる力
自信
自制心(自己管理能力)
他者への働きかけ(社会的能力)
共感能力
小さな「筋肉」=支える習慣・スキル
忍耐力
開放性
信頼性
楽しむ気持
これらのポジティブな情動の「筋肉」は鍛えることが可能だと著者はいいます。これをきたえるには本のもの筋肉同様に「回復」が重要です。
■どうやって回復し鍛えるのか?
情動の「筋肉」をうまく動かして最高のパフォーマンスができるかどうかは、その「筋肉」を日頃から動かし、定期的に回復させるというバランスをうまく作り出せていけるかどうかにかかっている。
この本の中では、8人の事例を挙げて説明していて汎用的な方法はなく、一人ひとり鍛える「筋肉」が異なるので、その対処法方も異なります。
ただ、8人の事例からエネルギー回復のためのフレームワークはあるようです。それは次のようなものです。
1.「パフォーマンスの壁」を見つける
2.どの「筋肉」を鍛えるのか
3.「儀式」を実践
「パフォーマンスの壁」とは、仕事や人間関係などでパフォーマンスをうまく発揮でいない壁となっている要素で、「儀式」とは疲れ切った心の「筋肉」を回復させるための実践的な行動のことです。
本書での事例にあてはめてみると、
1.パフォーマンスの壁:深みのある人間関係の欠如
2.強化した筋肉:親密さ
3.儀式:妻とじっくり会話する、部下とランチ
これを自分自身にも当てはめてみて、自分なりの回復の儀式を作り出すのです。
■まとめ
・「情動面のエネルギー」はポジティブかネガティブに振れる。ネガティブに振れてい場合、「回復」が必要。
・ポジティブは情動を動かす鍵となる「筋肉」で、自信、自制心などがあり、鍛えることができる。
・回復させ、鍛えるためには自分なりの「儀式」を見いだして、日々行っていくこと。
ちなみに、ポジティブな情動を生み出す「儀式」には、「ポジティブ心理学」の知見がかなり役立ちそうですね。学術的にも証明された手法がいろいろとあるので、それを参考にしてもよいかもしれません。