思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

底力を出すためには何が必要か?@『4つのエネルギー管理術』


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投稿日:2021年3月12日

 

ある幹線道路に街路樹が植えられた。その後、大嵐に見舞われて、ほぼすべての街路樹はなぎ倒されてしまった。

 

その後、木に支柱をつけたり、ワイヤーを使って木を支えた。しかし、次の大嵐で、街路樹は再び倒れた。そのたびに支柱で補強しては嵐に倒されることが何度も続いた。

 

風が強いところでは、深く根を張っていなければ樹木は倒れてしまうことを理解できていなかったのだ。

 

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Image by Dirk Rabe from Pixabay

 

という話しが『4つのエネルギー管理術』の中で出てきます。

 

 

 

この話は、

 

人はしばしば深い根を張っていないためにーー確固とした信念や揺るぎない価値観をもっていないためにーー強風が吹くと簡単になぎ倒されてしまう。しっかりした目標をもっていなければ、人生のなかで避けようのない嵐がやってきたとき、大地にしっかりと立っていることができない。

 

ということを示唆しています。

 

 

仕事をしていても、勉強をしていても、ここで頑張らないといけないところで力が尽きてしまう。「もういいや」、と。

 

この状態に陥るのは、『4つのエネルギー管理術』でいうところの「精神のエネルギー」が涸渇しているかもしれません。

 

 

 成長は発達は、肉体から情動、そして頭脳から精神へという、下から上のプロセスをたどるが、変化は逆のプロセスで、精神から波及していく。自分が一番大切だと思う価値基準を思い、私利私欲を超えた使命感を感じるときに得られる精神のエネルギーが、目標に向かって進むときに非常に強い力となる。

 

先ほどの例でいえば、大嵐が人生での「変化」と言えます。人生において変化を強いられたときに「精神のエネルギー」をふんだんに使うことになるのです。

 

この「精神のエネルギー」は目標によって充足され、また回復も行われると言われています。この目標を設定する上での軸となるのが「価値観」です。

 

では、どうやって自分の価値観を軸として目標を設定するのかを『4つのエネルギー管理術』の「第8章ステップ1ーー目標を定める」からみていきます。

 

 

 

底力を出すための目標の3つの視点

 

この第8章では、目標が3つ視点で「質的な変化」を起こすことで、「精神のエネルギー」を強力にして、粘り強く自分自身を支える底力となることを説明しています。

 

それは、次の3点です。

 

1.ネガティブからポジティブへ

2.付帯的動機から本質的動機へ

3.自分に対するものから他者に対するものへ

 

この3つの「質的な変化」を一つひとつ詳しくみていきましょう。

 

 

 

<1>ネガティブからポジティブへ

 

恐怖、怒り、憎しみといったネガティブ感情から突き動かされてできた目標もあります。けっこう、これってボクは大事だし、大いに活用すればいいと思う。神田昌典さんも『非常識な成功法則』でネガティブな感情を使えといっている。負の感情を瞬発的な強さを持つのだから、それをばねに突き進むことも可能です。

 

ただ、 

 

ネガティブな感情はエネルギーを涸渇させ、長い目で見ると人体のシステムに悪影響を与えるホルモンの放出を促してしまう。

 

というように、長期間使い続けると、悪影響の方が大きくなります。だから、ここで「ポジティブ駆動」の目標へと、質的変換が必要となるのです。「意味がある」、「挑戦できる」、「可能性を開く」といったポジティブな目標へと書き換えていくのです。

 

 

<2>付帯的動機から本質的動機へ

2つめは、付帯的動機による目標から、本質的動機による目標への転換です。付帯的というには「外発的動機付け」のことだとボクは思いました。例えば、もっとお金が欲しい、モテたい、社会的な地位が欲しい、みんなに愛されたい、といった目標です。外的要因に左右される目標です。

 

それに対して、本質的動機は、

 

ある活動そのものがもたらしてくれる満足感に価値を見出し、純粋にその活動をしたいと思うことから生じる

 

といいます。これはつまり「内発的動機」ですね。外的要因に左右されにくい目標となりやすいです。

 

さらに、

 

本質的なやる気には、より持続的なエネルギーを生み出す傾向があることが、いくつかの研究から明らかになっている。

 

といいます。

 

また、

 

人は確かに、物質的な報酬や他人からの賞賛によってやる気を起こす。だが、自分で自由に選んだ活動を心から楽しんでやるときの方が、より強い情熱と喜びを感じることができるのである。

 

と、あるように付帯的(外発的)な動機からの目標を持つことを否定しているわけではありません。ボクは時と場合に応じて目標を使い分けていけばいいと考えます。

 

 

 

<3>自分に対するものから他者に対するものへ

 

そして、最後の3つめは、目標を「自分に対してのもの」から「他者に対するもの」へと変えることによって、目標の大きな質的変換をはかることがテーマです。

 

これは何かといえば、

 

私たちの意識が、自分の欲求を満たすことから、自分を超える何かに奉仕することへと変わっていくことである。

 

と、あるように、「自分のための目標」を超えて「他者のための目標」に目標を変えることです。実はこれが一番、精神のエネルギーを大きくする要素だとボクは思います。自分のためよりも、他者のため、自分を超えた何かのために身をささげるのは、大きな使命を感じられ、自分が生きている意味やこの世界での役割のようなものを全うする感覚を持つようになります。

 

 

 

目標を設定するには価値観が必要

 

まあ、戦時中の日本は、「他者のための目標」を悪用して、「御国のため」とうそぶいて多くの若者を戦地に送り込んだりもしましたが。いずれにしても、自分自身でしっかりと価値基準をもたないと、為政者にいいように使われてしまいます。なので、自分にとっての価値観をはっきりさせておくとが肝要です。

 

ここが難しくて、時間もかかるので、なかなかポジティブで本質的で他者に対する目標をもつことができない理由となっているように思えます。

 

自分の価値観を言語化するのは難しいですよね。抽象的になりやすいし、何が大切なのかを決めることは難儀なことです。

 

 

それでも、ヒントはいくらかあります。

この本では、幸福、調和、健康、バランス、思いやり、知識、共感といった「価値観チェックリスト」があるので、それに類したことをチェックできるサイトをみてもよいですね。

 

もう少し抽象度を下げた、価値観チェックサイトもあったので、紹介します。

これは厚労省の職業診断のサイトにあったものです。

jobcard.mhlw.go.jp

 

 

おわりに<まとめ>

 

大事な場面で底力を出すには、自分の価値観の軸に合ったポジティブで、本質的で、自分を超える何かのための目標を設定することが必要です。

 

大嵐に見舞われたときに、樹木が深く大地に根をはり決して倒れることのないように。

 

そんな目標を持つことで「精神のエネルギー」が充足し、突き抜けれるような力が出せるということです。

 

ということで、まずは、価値観リストをみながら、自分の価値観を確認してみることからはじめるのがよさそうです。

 

 

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