思ったことを「メモ」にとっておく

主に読んだ本の備忘録として「本の抜き書き」と「思ったこと」を書きつづり、さらに本以外のことでも「メモしたこと」、「考えたこと」についてつづっているブログ

書評『News Diet』@「ニュース」は見ない方がいいーーニュースも断捨離しよう!


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更新日:2021年3月30日(投稿日:2021年3月18日)

 

 

「ニュース」をみていて疲れを感じることはないだろうか?

 

・東京で新たに409人の感染確認

・五輪で侮辱演出案 統括退任へ

・原宿暴走 被告に懲役18年判決

 

ニュースサイトにこんな見出しが躍っているのをみると、どんよりした気分になる。少なくとも晴れやかな気分にはなれない。

 

ニュースサイトのトップ画面には、「〇〇が不倫」といったゴシップ記事までもが表示される。ニュースなのか、ワイドショーなのか、ゴシップ週刊誌なのか、ごちゃまぜでニュースとして現れる。

 

著名人の不倫を知ったところで、いったい誰の得になりえるのか。ホントに、まったくどうでもいい情報だ。

 

こんなニュースをみたところで、ボクに何かできるわけでもないし、どうすることもできない。ほとんどのニュースはボクには直接関係がない。

 

自分には関わりのないことを、ただ情報だけ与えられてしまう。そして、やんわりとネガティブな感情が蓄積されてしまう。

 

これは些細なことのように思えるが、じわりじわりと精神を侵食する心理的ストレスになる。

 

 

ニュース、みる意味ないな。

 

 

と、思っていたときに、ちょうど、『Think Smart』を読んでいた。この本の中で、「ニュースを読むのをやめた方がいいわけ」という章があって、書いてある内容にとても納得できたのだ。

 

strengths.hateblo.jp

 

 

そして、この「ニュースを見ない方がいい理由」を広げて、深めて一冊の本にまとめて出版されたのが、この『News Diet』なのだ。

 

News Diet

News Diet

 

 

この『News Diet』は『Think Clearly』の著者であるロルフ・ドベリ氏の最新刊本だ。 

 

 

 

 

■要約

 

かなり、ざっくりと要約すると、

 

ほとんどのニュースはあたなとは「無関係」なので「時間の無駄」である。むしろ、「体に毒」であり「思考」を妨げ、「創造力」を破壊する。だから、ニュースを断ってしまおう。その代わりに本や選び抜かれた新聞や雑誌の長文記事を読もう。

 

ということだ。

 

 

 

 

■読んで良かったところ

 

  • ニュースをみることの有害性がかわる。
  • ニュース・ダイエットの効果いろいろ。
  • ニュースを断っても問題ないことがわかる。

 

<ニュースをみることの有害性>

人間は「よいこと」より「悪いこと」を重要だと感じてしまうネガティブバイアスが備わっている。ネガティブなニュースはえてして注意を惹きつけやすいし、人の心配事をより深めてしまう。自分と関係がないことなのにもかかわらず。

 

 

<ニュース・ダイエットの効果いろいろ>

これは、最後の章にあった次のドベリ氏の言葉に端的に表現されている。

 

私の論拠は明確になり、人生の充実感が増し、時間の余裕ができ、決断の質が上がり、心の平静も深まった。ニュースを消費しなければ、あなたもこれらすべてを自分で体験することができるのだ。

 

 

<ニュースを断っても問題ないことがわかる>

ほとんどのニュースは「能力の輪」の外のことなので、関わることもない。だからそのニュースを知らなくても、実質上の問題はない。

 

 

 

■読んで「やってみよう」と思ったこと

 

ドベリ氏はニュースの対極にあるものとして、

 

長い形式のもの――新聞や雑誌の長文記事、エッセー、特集記事、ルポルタージュ、ドキュメンタリー番組、本など

 

と述べている。

 

だから、次の3点を「やってみよう」と思う。

 

  • 引き続き「ニュース・ダイエット」を続ける
  • もっと本を読む時間を増やす
  • 長文記事に触れる

 

 

 

 

 

■全体の「感想」

 

タイトルにある通り内容であり、ボクが期待していた通りの本であった。

 

これまでニュースの取り扱いについて、ここで掘り下げた本は読んだことがなかったので、「ニュース疲れ」を感じている人にはおススメの一冊だ。ニュースで不安になってしまいやすい人には特におススメ。

 

海外の翻訳本にありがちな、わかりにく日本語ではなく、読みやすくい翻訳になっているのも好ましい。見出しや太文字の入れ方も見やすさを考慮されて編集されている。

 

付録(原注かな?)が本の1/6ぐらいを占めていてかなり充実している。追加情報なども書かれているのでしっかりチェックしておきたい。

 

各章には「重要なポイント」があって、

 

本はつづけて二回読んだほうがいい。そうすれば中身をひとつも忘れずにすむ。そこで、本書には、二度目の読書がしやすくなるような配慮をしておいた。再読するときには、「重要なポイント」だけを読むといい。

 

と、ドベリ氏がいうように二回読みを進めているのも面白い。

 

 

 

■終わりに

 

私たちは「自分にできること」だけをして、コントロールできない残りのものは無視しよう。私たちが影響を及ぼせる、小さな領域の内側で努力をするようにしよう。パンデミックのさなかでも生産的でいられるように。そして、自分の仕事をこれまでどおりきちんとこなすためにも。

 

ニュースに振り回されない自分を取り戻し、自分ができることに焦点をあてて努力するこで、今のコロナ禍を乗り切っていきたい。

 

また、ダイエットするのはニュースだけではないのかもしれない。

 

「能力の輪」の外にことは、さまざまな情報にもあてはまる。だから、モノの断捨離だけではなく、ジャンル広く情報の断捨離も進めていくのがよさそうだ。 

  

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News Diet

News Diet

 

 

■『News Diet』の目次

 日本語版によてせ
プロローグ
1.私がニュースを断つまで その1
2.私がニュースを断つまで その2
3.ニュースは、砂糖が体に及ぼす影響と同じような影響を精神に及ぼす
4.徹底的にニュースを断つ
5.「30日間計画」を立てよう
6.おだやかなニュースダイエットのすすめ
7.ニュースはあなたとは「無関係」である その1
8.ニュースはあなたとは「無関係」である その2
9.ニュースは「能力の輪」の外にある
10.ニュースは「リスク」を誤って評価する
11.ニュースは「時間の無駄」である
12.ニュースは「理解」を妨げる
13.ニュースは「体に毒」である
14.ニュースは「思い違い」を強化する
15.ニュースは「後知恵バイアス」を強化する
16.ニュースは「利用可能性バイアス」を強化する
17.ニュースは「意見の火山」を活性化させる
18.ニュースは「思考」を妨げる
19.ニュースは私たちの脳を「変化」させる
20.ニュースは「虚偽の名声」をつくる
21.ニュースは私たちを実際よりも「卑小な存在」に感じさせる
22.ニュースは私たちを「受け身」にする
23.ニュースは「ジャーナリスト」によって書かれている
24.ニュースは私たちを「操作」する
25.ニュースは「創造力」を破壊する
26.ニュースは「馬鹿げた話」を奨励する――スタージョンの法則
27.ニュースは私たちに「偽りの同情」を覚えさせる
28.ニュースは「テロリズム」を助長する
29.ニュースは「心の平穏」を破壊する
30.まだ確信が持てない人へ
31.民主主義への影響 その1
32.民主主義への影響 その2
33.「ニュースランチ」のすすめ
34.ニュースの未来
35.ニュースを断つ感覚
おわりに、そして謝辞
ドベリの免責事項
付録
訳者あとがき