超短メモ
- 作者: 波多野誼余夫,稲垣佳世子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1981/01/22
- メディア: 新書
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■一般化された期待から効力感へ
- 自分が活動することによって、自分の思っているような変化を環境に生じせしめることができた----こうした体験は、さらにまた環境に働きかけることを動機づける。
- こうした体験が積み重ねられ、一般化されることにより、「自分は、環境におもしろい、楽しい変化をつくりだすことができる」という自信と意欲的な態度、すなわち「効力感」が獲得されていく。
■「効力感」をどうやって育てるのか?
- 自分に合った分野、自分がとくに力を発揮できそうな分野をさがすように奨励する。
- 自分なりの選択基準、評価基準を自分のなかにつくりあげる。
- どのように努力するか、そのやり方を工夫することに重点をおくように促す。
- ある目標に照らして、自分がどこまで達成したかがわかるように評価することも、自分の進歩を実感しやすい。
- 仲間同士の教えあい通じて、効力感の育成をはかる。
■行動の源泉としての自分
- 他人によって報酬を与えられたり、評価されたりすると、もともとある興味や向上心が強まるどころか、逆に消失してしまう。
- 金銭やごほうびなどの報酬や外的評価の導入が、自律性の感覚を失わせる。
- 次第に、行動の源泉が自分ではないという感じが強くなる。
■自律性は自己選択から
- 自律性の感覚をより強める方法は、自己選択の機会をもたせること。
- 多くの選択肢のなかから、自分で自分の好む活動を選ぶことができる--これこそ自分の行動の主人公は自分であるという感じをさらに強める。それが効力感を発達させることにもつなる。
■効力感の育ちにくい競争的文脈
- 競争が強調される文脈では、人々が結果志向的になる。しかも、この結果は、自分の意志では変えることのむずかしい「能力」や「運」によって決まっていると考えるようになる。この意味で、競争を強調する文脈は、効力感どころか無力感を生みやすい素地を多くもっている。